干ばつは冬小麦作付面積の19%に被害
米国農務省(USDA、1月14日付)によると、「干ばつ被害は深刻で、冬小麦作付面積の19%相当(約387万ヘクタール)が、影響を受けている。」との中国食糧管理・干ばつ救済センター(12月6日付)の報告を示すとともに、2011/12年度の冬小麦生産量は、干ばつ被害で減少する可能性があると指摘している。
山東省では過去50年間で最悪の規模
中国の冬小麦は、9〜10月には種し、翌年5〜6月に収穫され、河南省、山東省、河北省、安徽省および江蘇省の5省にまたがる北部平原において、中国全体の冬小麦の75%が生産されている。
この2、3カ月にわたり中国東部で発生した干ばつは、深刻さを増している。降雨量は昨年10月から例年を下回り、北部平原の中には、昨年12月からの降雨量が例年の1割を下回る地域も見られる。また、11〜12月にかけての気温が温暖であったことも土壌中の水分の減少を促進させている。
中国南部では、数度にわたり吹雪に見舞われているが、北部平原では降雪量も不足しており、耕作地が雪で十分に覆われないため、12月中旬からの休眠期を迎えた冬小麦に十分な水分が供給されず、また、厳しい冬の気温と風に対する保護が不十分になっていると指摘している。
山東省の政府筋によると、干ばつは、184万ヘクタールに影響を及ぼし、過去50年間で最悪の規模となっている。河南省における昨年11〜12月の降雨量は過去50年間の最低水準としている。
重要度を増す今後の降水量
中国食糧管理・干ばつ救済センターによると、干ばつは春まで継続し、多くの地域の気温は、平年よりも高めで経過する可能性があると指摘している。
USDAによると、中国の冬小麦の単収は、4〜5月にかけての成熟期における降水量に左右されるため、収穫見通しはこれからの天候次第となるが、降雨量の不足が休眠期から出芽期以降も続くならば、生産量への影響は深刻さを増すことになると指摘している。