MAPAの予測は国内市場の成長とともに、海外市場ではさらに急速な需要の増加を前提としている。特に、人口の増加に農地面積の拡大が追い付かない国、消費に見合った在庫の確保が困難な国などは、主要穀物や家畜飼料は輸入に頼らざるを得ない。このため、このような動きは、生産余力と優れた技術を有するブラジルにとっては、農畜産物の生産拡大に非常に有利とされる。
また、MAPAは、生産拡大のカギを、農地拡大ではなく生産性の向上としている。すなわち、二期作、二毛作など農地の効率的な利用により農産物の作付面積は2020年に約6970万ヘクタールとなり、この10年間で約970万ヘクタール拡大すると予測されている。内訳はトウモロコシが約100万ヘクタール、大豆が470万ヘクタール以上、サトウキビが約430万ヘクタール以上となると予測されている。
今後10年間で継続して成長が見込まれる品目として、農産物は大豆とトウモロコシ、畜産物は鶏肉、牛肉が挙げられている。大豆とトウモロコシにおける増産分の52.0%、80.0%が輸出に仕向けられる。一方、鶏肉、牛肉は国内需要の増加から増産分の65.3%、77.0%が国内に仕向けられると予測する。さらに、食肉は引き続き輸出量が拡大し、国際市場の輸出占有率は鶏肉48.1%、牛肉30.0%、豚肉14.2%となるなど現在の分析では10年後も一大供給国であるとされる。