FAO:依然として堅調な食料価格
最終更新日:2011年5月19日
国連食糧農業機関(FAO)が5月5日に発表した4月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)から1.1ポイント、0.5%上回る232.1ポイントとわずかに上昇した(図1)。食料価格指数は3月、9カ月ぶりに減少したが4月は再び上昇して前年同月を36.5%上回るなど、依然として高水準にある。
4月の食料価格指数を品目別に見ると、5品目のうち上昇を続ける穀物と食肉が砂糖など3品目の下落を相殺している。下落した3品目のうち最も値を下げたのは砂糖で、ピークの1月から72.4ポイントと2割近く下げ、前月からも24.5ポイント下げた。これは、ブラジルで新しい製糖シーズンに入り、タイでも予想を上回る生産になるなど供給増が見込まれることによる。(図2)
次いで値を下げたのは北半球において好調な生産が続く牛乳乳製品で、前月比5.7ポイント減と8カ月ぶりに下落した。(図3)
前月に19.4ポイント低下した油脂は、東南アジアでパーム油が増産し在庫が増えたことに加え、米国の大豆の作付減少懸念が南米の豊作で相殺されたため前月から0.8ポイント下げと前月並みの小幅な動きとなった。
一方、穀物は、米国での天候不順によるトウモロコシの作付の遅れが国際価格を押し上げたことなどにより、前月(修正後)から13.9ポイント上昇し、前年同月を71.3%上回った。
食肉は、牛肉および羊肉の価格の上昇を反映し、2008年8月の最高値を更新した前月(修正後)からさらに0.5ポイント上昇して172.8ポイントとなった。
注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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