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FAO:世界の食料価格は依然として高水準

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最終更新日:2011年6月10日

 国連食糧農業機関(FAO)が6月7日に発表した5月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)から2.4ポイント、1.0%下回る232.4ポイントとわずかに減少したが、前年同月を37.1%上回るなど、依然として高水準にある(図1)。
 5月の食料価格指数を品目別に見ると、食肉及び牛乳・乳製品の上昇を穀物及び砂糖の低下が相殺している。なお、油脂は前月並みであった。

低下した2品目のうち最も値を下げたのは砂糖で、ピークの1月から109.5ポイント下げ(26.1%減)、前月(修正後)からも35.0ポイント下げた。これは、ブラジルで新しい製糖シーズンに入り、タイでも予想を上回る生産になるなど供給増が見込まれることによる。(図2)
 また穀物は、ヨーロッパ及び北米では天候不良により生産量が減少する見通しであるものの、2011年は23億1,500万トン(前年比3.5%増)という記録的な生産量が予測されていることから、前月(修正後)から3.6ポイント下げた(1.4%減)。ただし、前年同月を68.8%上回る261.8ポイントであり、依然高水準となっている。

 一方、食肉は、牛肉及び羊肉の価格の上昇を反映し、2008年8月の最高値を更新した前月(修正後)からさらに2.2ポイント上昇して183.1ポイントとなった。(図3)
牛乳・乳製品は、チーズが前月を2%上回った他は、前月とほぼ同等の水準であった。

 また、油脂は、南米で大豆が予想を上回る豊作であることから大豆油価格がわずかに低下したものの、パーム油価格が横ばいとなったことから、0.3ポイント低下し前月並みとなった。

 注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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【平成23年6月10日発 前田絵梨】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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