国連食糧農業機関(FAO)が7月7日に発表した6月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)から2.4ポイント、1.0%上回る233.8ポイントとわずかに上昇した(図1)。食料価格指数は3月から横ばい傾向で推移しているが、6月は前年同月を39.1%上回るなど、依然として高水準にある。
6月の食料価格指数を品目別に見ると、穀物および油脂の低下を砂糖の上昇が相殺している。なお、食肉および牛乳・乳製品はわずかに上昇した。
砂糖は、前月(修正後)から45.5ポイント上昇して、357.7ポイントとなった。これは、世界最大の砂糖生産国であるブラジルの生産量が昨年を下回る見込みとなったことによる(図2)。
また、食肉は、鶏肉価格は上昇したものの豚肉価格が値を下げ、結果として前月(修正後)から0.4ポイント上昇し、最高値である180.4ポイントとなった(図3)。牛乳・乳製品は、前月を0.5ポイント上回った。
下落した2品目のうち値の下がりが大きいのは穀物で、前月(修正後)から2.8ポイント下げた。これは、天候不良が続いていたヨーロッパの天候が好転したこと、ロシアの輸出数量が増加したことによる。ただし、前年同月を71.0%上回る258.5ポイントであり、依然高水準となっている。
また、FAOは、2011/2012年度における世界の穀物生産量について、米国農務省が2011年の穀物作付予想面積を上方修正したことを受け、前年度を3.3%上回る2,313百万トンになると予測している。
油脂は、前月(修正後)から1.9ポイント下げた。これは、大豆油価格が横ばいで推移した一方、東南アジアにおける供給見通しが改善されたパーム油価格が下落したことによる。
注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。