FAO:食料価格指数はやや弱含みで推移
最終更新日:2011年9月13日
国連食糧農業機関(FAO)が9月8日に発表した8月の食料価格指数(注)は、前月から0.8ポイント、0.3%下回る231.1ポイントとわずかに低下した(図1)。食料価格指数は過去最高値であった2月からやや弱含みで推移しているが、8月の同指数は前年同月を26.4%上回るなど、依然として高水準にある。
8月の食料価格指数を品目別に見ると、穀物および食肉の2品目の上昇を油脂、牛乳・乳製品および砂糖の3品目の低下が相殺している状況にある。
上昇した2品目のうち上り幅が大きいのは穀物で、前月から5.3ポイント上昇して、252.5ポイントとなった。これは、コメについて、世界最大の輸出国のタイで、国内価格が国際相場を反映して上昇したことや、トウモロコシについて、世界最大の生産国の米国で7〜8月の干ばつにより2011/12年産の収穫見通しが減少したことなどが要因となっている(図2)。また、食肉は、鶏肉が輸出価格の下落により値を下げたものの、豚肉が高値を維持するとともに、牛肉価格が値を上げたことから、前月から1.4ポイント上昇し、最高値である180.6ポイントとなった(図3)。
下落した3品目(油脂、牛乳・乳製品および砂糖)はいずれも前月から6〜7ポイント低下した。油脂は、世界的なパーム油とひまわり油の生産増および輸出増により前月から7.6ポイント低下して243.6ポイントに、牛乳・乳製品は、ニュージーランドドル高により粉乳およびカゼインの価格が低下したことなどから前月から7.2ポイント低下して220.6ポイントになった。砂糖は、依然として高水準ではあるものの、前月から6.7ポイント低下して393.7ポイントになった。これは、ヨーロッパ、インドおよびタイの生産が堅調であるものの、世界最大の生産国のブラジルが昨年を下回る見込みであることによる。
注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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