FAO:依然高水準ではあるものの、食料価格指数は3ヶ月連続で低下
最終更新日:2011年10月7日
国連食糧農業機関(FAO)が10月6日に発表した9月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)から4.5ポイント、2.0%下回る225.0ポイントとなった(図1)。9月の同指数は前年同月を16.0%上回るなど依然として高水準ではあるものの、3ヶ月連続の低下となった。なお、9月の食料価格指数を品目別に見ると、全ての品目で低下した。
砂糖、穀物、油脂の指数が低下
FAOの発表によると、低下した品目のうち下がり幅が最も大きいのは砂糖で、前月(修正後)から14.7ポイント低下して、379.0ポイントとなった(図2)。これは、ヨーロッパ、インドおよびタイの生産が堅調であることに加え、世界最大の生産国のブラジルの生産が予想よりも良好であることによる。
次いで下がり幅が大きいのは穀物で、前月(修正後)から7.3ポイント低下して、245.1ポイントとなった。同指数は4月以降、8月を除き低下傾向で推移している。8月についてはタイ国内のコメ価格の上昇や米国産トウモロコシの供給不安などにより一時的に上昇したが、9月は、世界の穀物生産高が増加するとの見通しに加え、今後は需要が減退するという見方などを踏まえ、低下した。なお、FAOは2011/12年産の穀物生産高を、2010/11年産を6800万トン上回る23億1000万トンになると見込んでいる。
また、油脂は、東南アジアでパーム油の生産量が増加し十分な在庫もあることや、特に黒海周辺でのひまわり油の生産が良好であることから、前月から5.6ポイント低下して、238.0ポイントになった。
その他、牛乳・乳製品は、バター、粉乳およびカゼインの価格が低下したことなどから前月から2.4ポイント低下の218.2ポイントに、食肉は、豚肉の価格が低下したことなどから前月(修正後)から0.9ポイント低下の175.2ポイントになった(図3)。
注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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