韓国:9月の消費者物価指数、前年同月比4.3%上昇
最終更新日:2011年10月20日
価格上昇は鈍化
韓国統計庁によると、9月の消費者物価指数(CPI、2005年=100)は、金価格高騰や唐辛子などの農産物価格高騰により前年同月比4.3%上昇の122.6となった。しかし、上昇率は8月より1%ポイント下落し4.3%と、物価上昇は鈍化した。
食品類については、前年同月比4.6%上昇の137.8、前月からは0.1ポイント下落となった。物価上昇の抑制の主な要因は、中秋の需要の反動による消費の低下と秋に入り農産物の出荷がピークを迎え供給が増加したことが挙げられる。今年は天候に恵まれ、農産物の生育は順調であることも要因の1つである。
7月の大雨の影響により価格が高騰した白菜は、天候の回復に伴って出荷量が増えたことから、前年同月比27.0%下落の206.7、前月から25.8ポイント(11.1%)下落となった。
豚肉は前年同月比23.8%上昇の151.6となるものの、関税割当措置による輸入増や輸入豚肉の在庫積み増しにより前月からは7.0ポイント(4.4%)下落と、3カ月連続で価格は下落した。牛肉は、前年同月比9.9%下落の112.7となるものの、果実類の作況不振により贈答品用などで需要が増えたため、前月からは4.8ポイント(4.4%)上昇となった。
10月の消費者物価指数は下落の見込み
企画財政部によると、10月の食品価格については、引き続き農産物の出荷が安定的に行われることから、上昇するとは考えにくい。ただし、欧州の財政危機など世界経済が不安定な状況であるため、為替が大きく変動する可能性はあるものと考えられる。
牛肉や豚肉などについては、口蹄疫の影響などから国内生産体制が整っていない状況もあり、輸入に依存している状況であることから、為替の影響を受け、牛肉・豚肉価格が不安定になることも考えられる。
輸入農畜産品など為替相場の変動を大きく影響を受ける品目について、政府は、価格の動向のモニタリングを強化していく方針を明らかにした。
【藤井 麻衣子 平成23年10月20日発】
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