FAO:世界の食料価格指数は、5ヶ月連続で前月より低下
最終更新日:2011年12月14日
国連食糧農業機関(FAO)が12月8日に発表した11月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)から1.0ポイント、0.5%下回る215.0ポイントとなった(図1)。同指数は、依然として前年同月を上回っているものの、5ヶ月連続で前月を下回る水準で推移している。
11月の食料価格指数を品目別に見ると、油脂および食肉の2品目の上昇を砂糖、穀物および牛乳・乳製品の3品目の低下が相殺している。
砂糖は前月比20.9ポイント減、油脂は6ケ月ぶりに上昇し同10.7ポイント増
FAOの発表によると、低下した品目のうち下がり幅が最も大きいのは砂糖で、インド、ヨーロッパ、タイおよびロシア連邦で生産増が見込まれることから、前月(修正後)から20.9ポイント低下して340.3ポイントとなった(図2)。
次いで下がり幅が大きいのは穀物で、前月(修正後)から2.9ポイント低下して228.4ポイントとなった。世界の小麦供給量が増加したことが下げ要因であり、これは、特にロシア連邦における生産量および在庫量の増加による影響が大きい。
また、牛乳・乳製品は、オセアニアなどで十分な供給量が見込まれることから、前月から2.5ポイント低下して201.0ポイントとなった(図3)。
一方、油脂は、6ヶ月振りに前月を上回り、前月(修正後)から10.7ポイント上昇して235.0ポイントとなった。これは、パーム油および大豆油の生産ペースが減速する一方で、(1)バイオディーゼル産業からの需要が高まること(2)中国などの輸入需要が高まること―などにより、植物油脂の需給ひっ迫が見込まれることが要因として挙げられる。
また、食肉は、前月(修正後)から0.7ポイント上昇して177.2ポイントとなった。最大の豚肉消費国の中国において豚肉価格が下落したが、世界の供給源である米国およびEUの価格が高水準にあることなどが上昇の理由と考えられる。
注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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