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FAO: 世界の食料価格指数は、ほぼ7カ月ぶりに上昇

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最終更新日:2012年2月17日

  国連食糧農業機関(FAO)が2月9日に発表した1月の食料価格指数(注)は、前月から4ポイント、1.9%上回る214.3ポイントとなった。同指数は、2011年7月以降、ほぼ下落基調で推移していたが、7カ月ぶりに上昇した。しかしながら、前年同月比では7.4%下回っている。(図1)

砂糖、油脂、牛乳・乳製品、穀物、および食肉のすべての品目のインデックスが前月から上昇

 FAOの発表によると、すべての品目でインデックスは前月から上昇した。最も大きく上昇したのは油脂で、前年同月比では大きく下回っているものの高値圏で推移しており、前月比では2.8%増となっている。これは、パーム油と大豆油の輸入量が減り、かつ季節的要因によるパーム油の減産と、大豆油の輸出余力の低下が価格上昇の主な要因となっている。(図2)
 次いで牛乳・乳製品は前月から2.5%上昇している。これは、脱脂粉乳と全脂粉乳の価格が横ばいもしくは下落しているものの、米国の在庫減とオセアニアの生産減を受けて、バターとチーズの価格が上昇していることが主な要因と言える。(図3)
 次は穀物で、前月(修正後)比で2.3%上昇となった。南米の異常気象による減産見込みから粗粒穀物の需給ひっ迫感が増し、価格は上昇している。トウモロコシの需給ひっ迫と価格の高騰の影響を受けて小麦も上昇している。一方、米穀の価格は収穫の進捗とともに下落基調にある。
 砂糖も前月からほぼ2.3%の上昇となっている。インド、EU、タイ、ロシアで生産が増加しているものの、世界最大の生産国で、かつ最大の輸出国であるブラジルにおいて異常気象により減産が見込まれることから、1月のインデックスは上昇した。しかし、前年同月比では20.4%下回っている。
 食肉は、前月(修正後)から0.5%上昇した。内訳をみると、豚肉は中国の輸入需要増を背景に2.8%上昇している。一方、鶏肉はブラジルなどの輸出国通貨に対して米ドル高となっていることから1.0%安となっている。また、牛肉は供給量が少ないことから価格は高値圏で推移している。羊肉はオセアニアでの好調な生産を反映して弱含んでいる。
 今回の食品価格の上昇には、さまざまな要因がそれぞれの品目の中に存在し、共通の背景はないとFAOのシニア穀物エコノミストはコメントしている。そして、供給量が増して在庫が改善しているにも関わらず、グローバルマーケットの拡大が価格を押し上げており、従来の米ドルや原油価格の動向が理由ではなく、南米や欧州の異常気象が一つの要因であろうと付け加えている。
 注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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【平成24年2月17日発 中野貴史】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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