FAO:世界の食料価格指数は2カ月連続で前月を下回る(5月)
最終更新日:2012年6月12日
国連食糧農業機関(FAO)が6月7日に発表した5月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)から9.0ポイント、4.2%下回る203.9ポイントとなった。同指数は、2カ月連続で前月を下回った。(図1)
全品目(砂糖、牛乳・乳製品、油脂、穀物、食肉)が前月を下回る
FAOの発表によると、下がり幅が最も大きいのは砂糖で、前月から29.4ポイント低下の294.6ポイントとなった。インド、EU、タイから十分な供給が見込まれる他、収穫期に入ったブラジルからの供給も加わったことから、3カ月連続での低下となっている(図2)。
次いで、牛乳・乳製品は、主要な乳製品輸出地域であるオセアニアなどの増産による国際乳製品価格の下落を受け、前月から21.5ポイント低下の164.1ポイントとなった。なお、この値は2009年10月以来の低い水準となっている(図3)。
油脂は、原油価格の低下に伴い大豆油およびパーム油相場が下落したことから、これまでの上昇基調から反転し、前月(修正後)から16.7ポイント低下の234.2ポイントとなった。
また、穀物は、天候が改善したことで小麦の増産が見込まれることに加えて、米国では今後のトウモロコシ生産について大幅な増産が見込まれることなどから、前月(修正後)から2.4ポイント低下し220.9ポイントとなった。
食肉は前月からわずかに下降して178.8ポイントとなった。これは、主な豚肉生産国である中国などで豚肉価格が低下したことなどが要因として考えられる。
注1:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
注2:FAOの公表では食料価格指数の変動要因が明らかにされていない場合もあることから、当機構の分析を適宜追加している。
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