FAO:世界の食料価格指数は、2カ月連続で前月水準を下回る(11月)
最終更新日:2012年12月12日
国連食糧農業機関(FAO)が12月6日に発表した11月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)を3.2ポイント、1.5%下回る210.9ポイントとなった(図1)。
牛乳・乳製品を除き、砂糖、油脂、穀物および食肉は低下
FAOの発表によると、牛乳・乳製品を除くすべての品目が前月から低下した。
最も下がり幅が大きかったのは砂糖で、世界最大の生産・輸出国であるブラジルを中心に2012/13年度も前年度に続き十分な輸出余力が見込まれることから、前月から13.8ポイント低下し274.4ポイントとなった(図2)。
次いで油脂は、前月から6.0ポイント低下の200.4ポイントとなった。パーム油で十分な生産がある一方、国際需要が弱含んでいることから、在庫の積み増しが懸念されている。また、米国の大豆生産量が予想を上回ったことや、世界経済の成長鈍化懸念も指数の低下につながった。
また、穀物は、小麦などの低下がトウモロコシの上昇分を相殺し、前月(修正後)を3.9ポイント下回る255.6ポイントとなった。小麦はウクライナで輸出規制が行われなかったことから低下し、トウモロコシは南米の供給見通しと気象状況に対する懸念から上昇した。
食肉は、豚肉の低下を受け、前月(修正後)から1.3ポイント低下の174.7ポイントとなった。飼料穀物価格が高騰しているにもかかわらず、豚肉価格は上昇していないことから、養豚業者の収益性低下がうかがわれる。(図3)
一方、牛乳・乳製品は、乳製品の国際需要の高まりと供給不安の懸念から4カ月連続で前月水準を上回っているものの、主要輸出国であるニュージーランドと豪州の生産が好調であることから上昇傾向は弱含んでおり、前月を1.0ポイント上回る195.0ポイントとなった。
注1:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
注2:FAOの公表では食料価格指数の変動要因が明らかにされていない場合もあることから、当機構の分析を適宜追加している。
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