中国の消費者物価指数、食品価格の影響が顕著 (中国)
最終更新日:2013年2月20日
中国国家統計局は、2013年1月の消費者物価指数(CPI)が、食品価格上昇等の要因により、前年同月比で2.0%増加したことを発表した。
特徴としては、非食品が同1.6%の増加であったのに対し、食品は同2.9%と上昇し、その影響でCPIが2.0%のうちの約0.95ポイントの上昇に寄与している点が挙げられる。肉類および食肉加工品については、豚肉価格が5.0%下落したものの、牛肉が30.0%上昇するなど、他の肉類が上昇したことで、同1.4%上昇し、生鮮野菜も同2.6%上昇した。
牛肉の月平均卸売価格は、飼料価格高騰などの生産コストの上昇や需要の増加に供給が追い付かない状況等を背景に、30カ月連続して上昇しているが、来月2月も春節需要により、更に上昇する可能性がある。
一方、前月比でみると、食品価格の上昇は顕著となり、非食品が前月比0.1%の上昇であったのに対し、食品は同2.8%上昇し、CPIが同1.0%上昇したが、そのうちの約0.92ポイントが食品価格の上昇によるものであった。
内訳をみると、生鮮野菜が同12.7%上昇し、同様に、豚肉価格が回復基調にあることの表れとして、同5.2%上昇したことを受け、肉類および食肉加工品については、同3.2%の上昇となった。
野菜を始めとした生鮮農産物については、北方での雪害や南方での低温や長雨により、生産や輸送への影響が深刻な状況にあり、先日も中国国務院より、各省・自治区等に対して、「近日中の野菜市場の供給と価格の基本的安定の保障に関する緊急通達」(国弁発明電(2013)4号。以下、「緊急通達」という。)が発出され、春節期間前後における農産品の安定供給と市場価格の抑制が図られた。
比較対象となる2012年は、1月に春節があったのに対し、2013年は2月が春節期間となることから、2月のCPIも上昇することが見込まれるが、前述の緊急通達や1月11日発出の「流通経費の低減・流通効率向上の総合対策法案」の実施を通じて、どの程度緩和されるのか、また、国内物価の安定にどの程度寄与されるのか、2月のCPIの動向に注目が集まる。また、春節が明けた3月以降については、雪害等の季節要因の解消や天候の回復により、生鮮農産物の生産や流通の停滞が解消されることで、食品価格も落ち着いてくるものと考えられる。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9534