2012/13年度のトウモロコシ生産量予測を今月も上方修正(ブラジル)
ブラジル食糧供給公社(CONAB)は5月9日、2012/13年度の第8回目(10月〜翌9月)となる月例の主要穀物作付状況調査報告を公表した。これによると、トウモロコシの生産量見込みは前年度比6.9パーセント増の7,800万トンと前月予測(7,745万トン)を上方修正した一方、大豆については同22.8パーセント増の8,151万トンと前月予測(8,194万トン)をわずかに下回った。予測値は2カ月連続で、トウモロコシは上方修正、大豆は下方修正された。
参考
2012/13年度のトウモロコシ生産量を上方修正(ブラジル)
トウモロコシ:第1期作トウモロコシの収穫がほぼ終了
ブラジルでは年2回のトウモロコシの作付けが行われるが、主要生産地域で第1期作トウモロコシの収穫がほぼ終了した。第1期作の作付面積は、主要生産州で大豆に転作されたことや北部・北東部で2年連続の干ばつに見舞われていることから、前年度比9.0パーセント減となった。ただし、中南部の生産が順調であることから、単収の全国平均は同12.9パーセント増の1ヘクタール当たり5.1トンと見込まれ、生産量は同2.8パーセント増の3,481万トンと予測されている。
中西部を中心とする第2期作トウモロコシの生産は、多雨によっては種が遅れたものの作付面積が大幅に増加したことに加えて、受粉期には天候が回復したことから、生産量は同10.4パーセント増の4,318万トンと予測されている。主要生産州の収穫は6月から始まるとみられる。
大豆:単収が最大の生産州で減少の一方、南部では回復
ブラジル全体でみると、大豆の国内外の価格が好調であることや、世界的な需要の高まりなどから収穫前の契約が大幅に進んだことにより、作付面積が前年度比10.7パーセントの2,772万ヘクタールの大幅な増加となった。最大の大豆生産州であるマットグロッソ州では、アジア型大豆サビ病の発生や収穫時の降雨によって、単収が前年を下回った。一方、前年の干ばつによる影響から回復したパラナ州やリオグランデドスル州の単収がそれぞれ同36.0パーセント増、同69.8パーセント増となった。これらを受け、全体の生産量は同22.8パーセント増の8,151万トンとされた。
なお、中西部では収穫前の契約が進んだことによって、現在、販売できる大豆が不足しているとされる。このため現地では、一時期下がった大豆価格が再び上昇に転じているという。
【岡 千晴 平成25年5月10日発】
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