10月の中国の消費者物価指数、食品価格の上昇で前年同月比3.2パーセント上昇(中国)
最終更新日:2013年11月18日
中国国家統計局は11月9日、2013年10月の消費者物価指数(CPI)ついて、前年同月比で3.2パーセント上昇したことを発表した。
※ 前年同期比(1〜10月)2.6パーセント増
内訳を見ると、非食品価格が同1.6パーセントの上昇であったのに対し、食品価格は同6.5パーセント上昇したことで、CPIの上昇幅を約2.11ポイント押し上げた。そのうち、大幅に上昇した野菜は、同31.5パーセントと上昇したことで、CPIを約0.81ポイント押し上げる要因となった。また、豚肉が同5.2パーセント、牛肉が同18.8パーセント上昇し、肉類および食肉加工品全体で同5.8パーセント上昇となった。さらに、飲用乳および乳製品は7.5パーセント上昇するなど、食品全般で価格が上昇した。
これを反映し、豪州やニュージーランド(NZ)からの牛肉・乳製品の輸入量は増加基調にあり、2013年1〜9月の豪州産牛肉輸入量(HSコード0202)は、前年同期比1254.4パーセント増の9万2152トン(輸入シェア46.5%)、NZ産全粉乳輸入量(HSコード040221および040229)は、同23.3パーセント増の36万1527トン(輸入シェア93.2%)となった。
今後、年明けの春節に向けて、国内需要が高まる情勢にあるが、今年2月の春節の頃には、北方での雪害や南方での低温や長雨により、食料品の生産や流通に影響が生じたこともあったことから、これから本格的に冬季を迎える中国の今後の食料品の供給状況が注目される。
野菜価格の上昇は、対日輸出への影響も懸念されている。価格上昇幅が大きい野菜のうち、日本への輸出が多い中国産たまねぎの輸出動向を見ると、今年前半は、日本国内での豊作や輸出価格(FOB)の高騰を受けて、対日輸出量は前年割れとなった。9月に入り、日本の主産地である北海道産が、夏の高温少雨の影響などにより小玉傾向となり、歩留りのいい大玉の収穫量が減少していることなどにより、対日輸出量は前年を上回る状況となった。しかし、FOBを見ると、6月以降急落したものの、中国国内の卸売価格は、再び上昇傾向となっていることから、今後、中国国内の卸売価格の上昇が続けば、輸出用の一部が、国内市場向けに出荷されることも想定され、対日輸出に影響が生じる可能性もある。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際情報グループ)
Tel:03-3583-9534