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ニュージーランド、韓国とFTAを締結

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 ニュージーランド(NZ)政府は11月15日、韓国とのFTA(自由貿易協定)の締結を発表した。NZ外務貿易省は、今回のFTAによる韓国側のNZ産乳製品、食肉の関税削減等に関する概要について、以下のとおり公表している。
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NZ政府は成果を強調する一方、NZ生産者団体は冷ややかな反応

 NZにとって、韓国は第6番目の輸出先国であり、輸出額は年間20億NZドル(1860億円:1NZドル=93円)に達する。韓国向け最大の輸出品目は、工業製品と木材であり、それぞれ輸出額の約3割を占めている。一方で、乳製品は同17%、食肉は同11%と合計で3割近いシェアを占めている。
 NZ外務貿易省は、今回のFTAにより、韓国市場へのアクセス機会が改善するとし、乳製品については、韓国向け主要輸出品目であるチーズに加え、高関税が漸進的に削減されるバターや粉乳の輸出の増加が期待されるとしている。また、牛肉・羊肉については、韓国とすでにFTAを締結している米国や豪州、カナダとの競合関係を踏まえ、今回のFTA締結の重要性を示している。
 一方、NZの生産者団体であるNZ農業者連盟は、「韓国とのFTAは、何もないよりまし。」という冷ややかな声明を発表している。同団体は、牛肉輸出機会の拡大は期待できるとしつつも、韓国の農業界の強い反対などにより、関税削減等の内容はFTAの最低ラインであるとして、合意内容に不満を募らせた。NZの生産者団体は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の合意を重視しており、今回の韓国とのFTA合意に対しては、冷静な反応となっている。
【根本 悠 平成26年11月17日発】
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