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欧州委、ロシア禁輸に係る支援措置の延長を発表(EU)

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 欧州委員会は、2014年12月末を実施期限としていた乳製品(バター、脱脂粉乳)と野菜・果物などに対する支援措置を、それぞれ延長すると表明した。欧州委員会では、 ロシア政府が8月から講じているEUからの農畜産物の禁輸措置に対し、EU域内市場への影響を最小限に食い止めるため、乳製品と野菜・果物について市場隔離を行っている。

バター、脱脂粉乳の民間在庫補助の期間を延長

 欧州委員会は12月11日、9月から開始されているバターと脱脂粉乳の民間在庫補助制度(PSA)については、2015年2月までの延長を決定し、2014年12月17日付で施行した(委員会規則(EU)No1337/2014)。PSAは、民間企業が保管するバターと脱脂粉乳について、保管費用を補助するものであり、12月14日現在、バターは20,793トン、脱脂粉乳は15,823トンがPSAの対象となっている。
表
参考
平成26年8月29日 欧州委員会、乳製品について緊急支援を表明
 http://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_001116.html

野菜、果物への緊急支援措置を延長

 また、欧州委員会は12月12日付で、8月より開始している野菜・果物に対する緊急支援措置を、2015年6月末まで延長することを発表した。
 この措置は、委員会規則(EU)No1031/2014に基づいて実施され、予算額は延長分を含め1億6500万ユーロ(245億8500万円)である。対象となる補助対象数量は、過去3年間にロシア向けに輸出された量が基準となる。
 
○対象作物
トマト、にんじん、キャベツ(白)、ピーマン、カリフラワー、きゅうり、ガーキン(ミニきゅうり)、マッシュルーム、リンゴ、洋なし、イチゴやベリーなどのレッドフルーツ、食用ぶどう、キウイ、オレンジ、マンダリン、クレメンタイン
○補助の対象となる以下の方法
  (1)学校、病院、フードバンク、その他慈善団体に寄付した場合
  (2)食用以外のエネルギー利用、コンポスト利用、又は廃棄した場合
  (3)青刈りした場合など

注:フードバンクとは、食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等へ無料で提供する団体・活動のこと。(農林水産省ホームページ)
 http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/foodbank/


参考
平成26年8月19日 欧州委員会、ロシアの禁輸で被害を受ける野菜・果物生産者に緊急支援
 http://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_001106.html
 
平成26年10月2日 欧州委員会、野菜・果実生産者に対する修正支援を発表
 http://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_001125.html
【宅間 淳 平成26年12月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9531