野菜などの加工食品輸出額の見通しは2%増の1800億バーツ(タイ)
最終更新日:2016年2月25日
タイの経済紙であるプラチャーチャート・トゥラキットによると、タイ食品加工業者協会(TFPA)が示した2016年の加工食品の輸出額は、前年比2%増の約1800億バーツ(1バーツ=3.2円:約5760億円)になる見通しである。伸長率見込みを製品別に見ると、野菜・果物加工品10%、調味料・調理済み食品5〜7%、スイートコーン5%などとなっている。
2015年の輸出額は、世界的な景気低迷による需要減少に加え、雨季に発生した干ばつによる原料野菜などの原料不足から、前年比2%減の約1700億バーツ(5440億円)であった。TFPAは、2016年は、干ばつなどの減収要因がなければ、世界景気の回復により輸出額の伸長が見込めるとしている。
輸出先は、日系商社などとの合弁企業は主に日本向けが、タイ資本企業などは欧米向けが主体となっているが、タイ資本企業は、2016年は欧米向けだけでなく、東南アジア、中国、日本、韓国向け輸出を強化するとともに、中東市場の開拓も行いたいとしている。
参考 日本におけるタイ産野菜
日本における2015年のタイ産野菜の輸入量は、塩蔵等野菜、生鮮野菜、トマト加工品、酢調製野菜、乾燥野菜が減少したものの、輸入品目の主体である冷凍野菜とその他調製野菜が増加したことで、ほぼ前年並みの10万3191トンとなった(参考図1)。
輸入量が最も多いのは冷凍野菜だが、中でも冷凍えだまめの輸入量が伸びている(参考図2)。この要因としては、2012年に中国産から基準値を超えた残留農薬が検出された影響によって、タイ産へのシフトが続いていることなどが挙げられる。冷凍えだまめは、日本の冷凍野菜輸入量の2割を占めており、家庭消費はもちろん、外食などでも大量に使用されるなど需要が大きい。このほか、冷凍いんげんなどやスイートコーンもタイからの輸入量が多くなっている(参考表)。
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