2015年の生鮮野菜生産量は減少(米国)
最終更新日:2016年5月10日
米国農務省全国経済統計局(USDA/NASS)は2016年4月29日、「Vegetables and Pulses Outlook」で2015年の米国野菜需給について公表した。
生産量
2015年の生鮮野菜生産量(ばれいしょ、さつまいも、マッシュルーム、メロンを除く。)は、前年比3.7%減の1611万トンとなった(表1)。減少要因としてUSDAは、生産量の約半分を占めるカリフォルニア州で、干ばつにより減産となったことを挙げている。品目別に見ると、生産量の最も多いたまねぎは、前年比3.8%減の261万トン、次いで生産量の多い結球レタスは同6.1%減の196万トンとなった。一方、スイートコーンは同13.4%増の127万トンとなった。
他方、同年の加工用野菜の生産量(ばれいしょ、マッシュルームを除く。)は、前年比0.5%増の1823万トンとなった(表2)。トマト、さやえんどう、グリンピース、ブロッコリーなどが増加した。トマトは、その生産の大部分を占めるカリフォルニア州で干ばつによる水不足となったものの、収穫面積の増加により同0.8%増となった。USDAは、加工用の大半を占める缶詰用のトマト生産は今後も増加傾向で推移するとしている。
また、加工用野菜の生産額(注)は、前年比3.5%減の22億4600万米ドル(2493億円:1米ドル=111円)となった(表3)。特に、トマト、スイートコーン、ピクルス用となるきゅうりなどが下落した。加工用野菜の生産額を州別に見ると、第1位のカリフォルニア州が14億3000万米ドル(1587億円)となり、第2位のウィスコンシン州(1億5800万米ドル(175億円))を大幅に上回っている(表4)。
(注)トマト、スイートコーン、さやえんどう、きゅうり、グリンピース、人参、ライ豆、ホウレンソウの合計。
輸出入の数量と金額
2015年の生鮮野菜(ばれいしょ、マッシュルームを含む。)の輸入量は、前年比1.0%増の647万2000トン、輸入額は、同3.8%増の69億9200万米ドル(7761億円)といずれも増加した(表5)。最大の輸入先国であるメキシコからの輸入量が同2.3%増、輸入額が同3.3%増と増加した。生鮮野菜の消費量に占める輸入の割合は、1990年代初めの10%程度から、2015年には約25%を占めるまでに増加している。
一方、輸出量は前年比4.4%減の214万4000トン、輸入額は同6.4%減の22億3900万米ドル(2485億円)と減少した。国別の輸出額は、カナダ、メキシコ、日本などの主要輸出先国でいずれも減少しており、その要因としてUSDAは、米ドル高の為替相場や国際的な需要の減退を挙げている。
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