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ロシア、農畜産物の禁輸措置を2017年末まで延長する見込み

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最終更新日:2016年6月10日

 現地報道によると、ロシアは、今年8月に終期を迎えるEUを含む西側諸国からの農畜産物の禁輸措置について、一部の品目を除き来年の終わりまで延長する見込みであるとしている。メドベージェフ首相は、国内農業生産者が農業生産基盤を整備するにあたり、長期の延長を要望していたことから、2017年末まで延長する法案の策定を指示したとし、トカチョフ農業大臣も5月末には、ロシア農業省が法案の準備を始めていると語っていたと伝えられた。
 禁輸措置の延長について、ロシア農業省からの公式な発表はまだないが、ロシアの国営通信社であるイタルタス通信によると、ドボルコビッチ副首相(経済担当)は、法案はプーチン大統領によって署名されるであろうと報じた。
 延長の対象から除外されるのは、ベビーフード製造原料の家禽、牛肉、冷凍乾燥野菜であり、これらは終期を待たずに5月27日付けで禁輸措置が解除されている。
 
 ロシアの農畜産物の禁輸措置は、EU、特にロシアへの輸出割合の高いリトアニア、エストニア、ラトビアのバルト三国とフィンランドの輸出業者に大きな損害を与えている。中でも乳業部門は、生乳クオータ制度の廃止と重なって、ロシアの禁輸措置の影響を大きく受けて卸売価格が低落した。フィンランドの最大手乳業の1つであるValio社は6月1日、一部の乳業施設を停止している理由として、ロシア市場の影響と語った。
 EUの乳製品市場は、世界的にも供給過剰である中、ロシアが禁輸措置を続ける限り、非常に厳しい状況が継続するとみられている。
 
 
【大内田 一弘 平成28年6月10日発】
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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