沖縄県における平成22年産さとうきびの生産状況について
最終更新日:2011年9月9日
沖縄県における平成22年産さとうきびの生産状況について
2011年9月
はじめに
沖縄県における平成22年産のさとうきびの生産量は、82万403トンで前期に比べ5万9254トン(増減率△6.7%)の減産となった。これを分みつ糖・含みつ糖原料別でみると、分みつ糖原料分が75万6601トンで、同5万5234トン(同△6.8%)の減産、含みつ糖原料分が6万3802トンで同4019トン(同△5.9%)の減産となった。
地域別のさとうきび生産状況でみても全地域で、前期を下回る実績であり、特に沖縄および宮古地域で、それぞれ前期より2万3677トン、2万5046トンの減産であった。
甘しゃ糖の生産量は、9万6608トンと前期に比べ1万4165トン(同△12.8%)の減産となった。
1 平成22年産さとうきびの収穫面積
さとうきび収穫面積は1万2761haで、前期1万2747haに比べ13haの増加(増減率0.0%)となった。
地域別では、沖縄地域で202ha減少(同△2.8%)、宮古地域で171ha増加(同+4.3%)、八重山地域で44ha増加(同+2.7%)であった。
作型別では、夏植で279ha減少(同△4.9%)、春植で89ha増加(同+5.3%)、株出で203ha増加(同+3.8%)であった。
収穫面積増加の主な要因は、夏植から春植・株出への移行や、土壌病害虫防除による株出面積の増加および遊休農地解消が挙げられる。
2 平成22年産さとうきびの生産状況
(1)単位面積あたり収量について
10a当たり収量は、前期に比べ472kg減少の6429kg(対前年比93.2%)となった。
地域別では、沖縄地域が5419kg(同96.8%)、宮古地域が7812kg(同89.0%)、八重山地域が7203kg(同89.5%)であった。
単収が減少した要因としては、4月から8月にかけての生育初期および旺盛期に日照時間が平年より短かったことや本島北部地域に影響を及ぼした台風7号、登熟期である11月に南北大東地域に襲来した台風14号による被害が挙げられる。
(2)生産量について
生産量は、82万403トンで前期に比べ5万9254トン減少(増減率△6.7%)となった。
地域別では、沖縄地域が37万6643トンで、前期に比べ2万3677トン減少(同△5.9%)、宮古地域が32万4199トンで前期に比べ2万5046トン減少(同△7.2%)、八重山地域が11万9561トンで、前期に比べ1万531トン減少(同△8.1%)であった。
分みつ糖・含みつ糖原料別にみると、分みつ糖原料分が75万6601トンで、前期に比べ5万ン5234トン減少(同△6.8%)、含みつ糖原料分が6万3802トンで前期に比べ4019トン減(同△5.9%)であった。
3 製糖工場の操業状況
(1)原料品質について
さとうきびの品質は、平均甘しゃ糖度が14.0度(前期15.0度)であった。
分みつ糖・含みつ糖別にみると、分みつ糖の平均甘しゃ糖度は14.0度(同14.9度)、含みつ糖では14.0度(同15.7度)であった。
(2)甘しゃ糖の生産実績について
甘しゃ糖の生産量は、9万6608トンで前期に比べ1万4165トン減少(増減率△12.8%)となった。
分みつ糖・含みつ糖別では、分みつ糖が8万8269トンで前期に比べ1万2787トン減少(同△12.7%)、含みつ糖が8339トンで前期に比べ1378トン減少(同△14.2%)になった。
県全体の甘しゃ糖歩留は、11.78%で前期に比べ0.82ポイントの減少となった。
分みつ糖・含みつ糖別では、分みつ糖が11.67%で前期の12.45%に比べ0.78ポイントの減少、含みつ糖が13.07%で前期の14.33%に比べて1.26ポイントの減少であった。
4 おわりに〜今後の生産対策〜
沖縄県では、さとうきびの増産にむけて、農地の利用集積と経営規模拡大、ほ場整備や農業用水源の確保、かんがい施設などの生産基盤の整備をはじめ、ハーベスタ、株出管理機などによる機械化の促進、遊休農地の解消、優良種苗の増殖・普及、土づくりなどの対策に取り組んでいる。今後、関係者が一体となってこうした対策を着実に実施していくこととしたい。
特に、台風・干ばつなどの被害を軽減するため、耐風性・耐干ばつ性のある優良品種の育成・普及と併せて、防風・防潮林の整備、点滴かんがいの導入など地域の実情に応じた諸施策を総合的に推進していく必要がある。
さらに、具体的な取り組みとして、(1)さとうきびの増産に向けた検討会の開催(2)さとうきびの規模拡大のため、生産法人などによる農作業受委託の促進(3)含みつ糖地域の安定生産に向けた島ごとの増産対策の強化などを実施するとこととしている。
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