イ. 調達状況
(ア)仕入れ価格の動向
平成26年(1〜12月)の仕入れ価格の動向は、「やや上昇」2社、「横ばい」7社、「やや下落」5社と、各社で分かれた(
図14)。異性化糖の出荷価格は、原料トウモロコシ価格の下落などの影響を受け、25年11月(3円下げ)、26年2月(2円下げ)、同11月(3円下げ)に引き下げられたこともあり、「やや下落」と回答した企業が多かったとみられる。
(イ)仕入れ量の動向(平成25、26年)
使用企業14社のうち回答があった13社の平成26年における仕入れ量を前年と比較したところ、「増加」4社、「横ばい」7社、「減少」2社であった(
図15)。増加の理由は、いずれの企業も「使用製品の製造量の増加」で、製品分類別の内訳を見ると、菓子類1社、飲料1社、調味料1社、漬物1社であった。
減少の理由は、いずれの企業も「使用製品の製造量の減少」で、製品分類別の内訳を見ると、菓子・パン1社、飲料1社であった。
(ウ)今後の仕入れ見込み
今後の仕入れ見込みは、「やや増加」1社、「横ばい」12社、「やや減少」1社であった(
図16)。「やや増加」の理由は、「使用製品の製造量の増加(調味料)」であった。「やや減少」の理由は、「人工甘味料などへの切り替え(飲料)」であった。
ウ. 品質面および調達面に関する評価
品質面および調達面は、いずれの企業も「問題ない」との評価であった。
(2)果糖ぶどう糖液糖の需要実態
ア. 使用状況
果糖ぶどう糖液糖を使用していたのは、38社のうち19社であった。製品分類別の使用企業数(延べ数)は、菓子類2社、パン1社、乳製品4社、飲料9社、調味料3社、その他食品2社と、飲料で多く使用されていた(
図17)。これは果糖が、冷やすと甘みをより強く感じる性質を持っているため、果糖含有率の高い果糖ぶどう糖液糖が飲料の甘味料として使用されるためであると考えられる。使用製品の種類は
表4の通りである。
使用理由は、「甘み付けのため」「甘みを抑えるため」「使いやすいため」「規格が定まっているので安心なため」「色目、焼き目を付けるため」「価格が安いため」などが挙げられた。
イ. 調達状況
(ア)仕入れ価格の動向
使用企業19社のうち、回答があった18社の仕入れ価格の動向を見ると、「やや上昇」2社、「横ばい」14社、「やや下落」2社となった(
図18)。ぶどう糖果糖液糖に比べると、「やや上昇」または「やや下落」との回答は少なく、仕入れ価格はおおむね安定していたとみられる。
(イ)仕入れ量の動向(平成25、26年)
使用企業19社のうち、回答があった16社の平成26年における仕入れ量を前年と比較したところ、「増加」3社、「横ばい」7社、「減少」6社であった(
図19)。
増加の理由は、いずれの企業も「使用製品の製造量の増加」で、製品分類別の内訳を見ると、菓子類2社、乳製品1社であった。「使用製品の製造の拡大に取り組んでいる(菓子類)」「コンビニエンスストアでの取り扱い量が増加した(菓子類)」などの声が聞かれた。
減少の理由は、いずれの企業も「使用製品の製造量の減少」で、製品分類別の内訳を見ると、乳製品1社(乳飲料を製造)、飲料4社(うち1社は乳製品も製造)、水産練製品1社で、6社のうち5社が飲料(乳飲料を含む)を製造する企業であった。これは、冷夏や天候不順などの影響により、同年の清涼飲料の生産量が伸び悩んだことが影響しているとみられる。
(ウ)今後の仕入れ見込み
使用企業19社のうち、回答があった18社の今後の仕入れ見込みは、「大幅に増加」1社、「横ばい」16社、「やや減少」1社であった(
図20)。「大幅に増加」の理由は、「使用製品の製造量の増加(菓子類)」であった。「やや減少」の理由は、「人工甘味料への切り替え(飲料)」であった。
ウ. 品質面および調達面に関する評価
品質面および調達面は、いずれの企業も「問題ない」との評価であった。