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タイ産生鮮鶏肉解禁による日本への輸出見通し/ベトナムの牛肉需給をめぐる最近の状況

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最終更新日:2015年1月6日

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alic調査情報部では、最近の農畜産物の需給状況を把握するため現地調査を実施しております。
今回は、調査情報部調査役の西村博昭(タイ)及び木下瞬(ベトナム)より調査結果を報告しましたので、その概要を紹介します。

10年ぶりに日本向け生鮮鶏肉輸出が解禁(タイ)

タイ産の生鮮鶏肉については、2004年に発生した鳥インフルエンザを契機に日本への輸出が禁止され、以降、日本向け鶏肉輸出は加熱加工品に限られていました。
しかし、両国の家畜衛生条件が合意されたことから、2013年12月に10年ぶりに日本向け生鮮鶏肉輸出が解禁されました。
鶏肉が食肉消費の大半を占めるタイでは、鶏肉は生産量、消費量ともに増加傾向で、近年は特に輸出量の伸びが大きくなっています。輸出先は生鮮鶏肉がEU、ラオス、マレーシアですが、今年から日本向け輸出も増えてきています。

一方、加熱加工品はEU、日本が二分している状況です。
また、輸出部位については、食習慣の違いから日本向けはモモ肉、EU向けはムネ肉が中心となっているのが特徴です。

生鮮鶏肉の日本向け輸出は解禁されましたが、タイの鶏肉企業は安価なブラジル産生鮮鶏肉との競合を避け、今後も引き続き加工技術を活かした付加価値の高い加熱加工品を主体とした輸出を行うと見込ま
れます。

鶏肉の世界的な需要増加を背景に、タイ産鶏肉輸出への期待が高まっていますが、タイ国内では環境問題への対応や経済成長に伴い労働力の確保や飼料の調達が難しくなるといった課題もあり、大幅な輸出増加は困難との見方があるようです。

2014年4月から日本産牛肉の輸入が解禁(ベトナム)

ベトナムの食肉消費量は周辺諸国に比べて多く、豚肉、鶏肉は輸出もしています。
牛肉に関しては、近年、所得の向上と人口の増加を背景に消費が拡大しており、特に外資系外食産業の進出が輸入牛肉の消費を牽引しています。

ベトナム国内での牛肉生産は、小規模農家による放牧が主体で、配合飼料は高価なため、本格的な肥育はあまり行われていません。
肉用牛飼養頭数は、都市化・工業化の進展に伴い2007年をピークに減少傾向であり、牛肉輸入量は年々、増加しています。

牛肉の主要輸入先国はインド(水牛肉)、豪州、米国、ニュージーランドとなっており、9割が冷凍、
豪州及びニュージーランドからは冷蔵の輸入が多いのが特徴です。
流通形態としては、生鮮食肉のニーズが高いことから伝統的な温と体(おんとたい:と畜後冷蔵しないで出回る)が主流ですが、冷蔵庫などの耐久消費財やスーパーマーケットの普及、共働き世帯の増加といったライフスタイルの変化を背景に冷凍牛肉市場の拡大も期待されます。

一方、価格や流通面のメリットから、近年、生体牛の輸入も急増しています。
輸入先国は豪州、タイ、ラオス、カンボジアとなっており、特に2012年にタイが輸出制限したことから、豪州産が増加しています。今後も生体での輸入が主流になると予測されますが、他国とも競合することから、輸入頭数の確保が課題となっています。
【当日の詳しい資料はこちらでご覧いただけます。】

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