畜産の生産現場における安全性の確保に向けて〜高病原性鳥インフルエンザの防疫対策〜
最終更新日:2016年8月19日
国産畜産物を安定的に供給していくためには、家畜を病気から守ることが重要です。特にBSE(牛海綿状脳症)や口蹄疫、鳥インフルエンザ等の感染症は広範囲に重大な影響を与えるものであり、行政や生産者等が一体となって発生予防とまん延防止に努めています。
BSEが、日本で初めて確認された平成13年以降、生産者や行政などの関係者が一体となって飼料規制をはじめとする対策を推進した結果、わが国は平成25年5月、国際獣疫事務局からBSEのリスクを無視できる国に認定されました。
平成22年に宮崎県で発生し大きな被害が出た口蹄疫は、現在も韓国等の近隣諸国で断続的に発生していますが、我が国では関係者の防疫対策により発生予防がなされています。
生産段階における衛生管理と防疫対策が必要
鳥インフルエンザは、平成16年に山口県で79年ぶりに確認され、それ以降、野鳥やニワトリでの発生が確認されています。
直近では、平成26年の年末から27年1月にかけて4県の5農場で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認され、関連農場を含む約35万羽が処分されました。
冬の渡り鳥がウィルスを媒介するといわれている鳥インフルエンザですが、たとえウィルスが国内に侵入しても、農場内でウィルスとニワトリとの接触を防げば感染することはないため、農場内外での消毒など衛生管理を徹底することが重要です。
しかし、鳥インフルエンザのうち高い病原性を持つ高病原性鳥インフルエンザウィルスが農場内に侵入し、ニワトリへの感染が確認されると、発生農場では、全てのニワトリの埋却・焼却処分等が行われ、農場から半径3km以内を移動制限区域、半径3kmから10km以内を搬出制限区域として、ニワトリの移動を制限するとともに感染確認検査を実施します。
鶏肉・鶏卵は安全です
鶏肉は調理の多様性があり、良質な蛋白源であることから、我が国の食生活に欠かせない食材ですが、わが国では鳥インフルエンザに感染したニワトリ等が市場に出回ることはありません。また、内閣府の食品安全委員会は、鶏肉・鶏卵を食べることにより、ヒトが鳥インフルエンザに感染する可能性はないという見解を示しています。
発生農家の経営再開に向けて
発生の報告が遅れると被害が拡大してしまうため、農家には早期届出が義務付けられています。また、鳥インフルエンザが発生してしまった場合、発生農家には大きな被害が出ることから、発生農家の経営支援対策として、国が家畜伝染病予防法に基づき処分されたニワトリの補償やその処分費用を負担しています。また、alicの畜産業振興事業により農家の経営支援を行っています。
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