「ばれいしょでん粉」について
最終更新日:2016年12月28日
「ばれいしょでん粉」について
「ばれいしょでん粉」とは
でん粉は穀類、いも類、豆類などの種子や根などに存在するもので、いろいろな植物から抽出して製造されています。そのうち、じゃがいも(ばれいしょ)を原料としたものをばれいしょでん粉といいます。
国内で作られるばれいしょでん粉は、北海道で生産されたばれいしょのみを原料として製造されています。
ばれいしょでん粉の特徴と用途
ばれいしょでん粉は、私たちの生活の中でどのように利用されているのでしょう。
(1)でん粉は熱を加えると粘り気が出る特徴があります。特にばれいしょでん粉は、他の原料から製造されるでん粉に比べ、粘り気が強く表れます。このため、身近な食品として、片栗粉などの粉製品に用いられており、料理の仕上げにとろみを付けたり、具材同士をまとめるのに役立っています。
(2)また、ばれいしょでん粉の高い保水性をうまく利用することで食品のもちもち感やゼリー状のぷるぷるとした感じ、しっとりとした食感や弾力などを生むことができ、和菓子などの菓子類、春雨や麺類、パンや水産練り製品などを製造する原料の一つとして使われています。
(3)さらに、この保水性を活かし、焼き上げることで中の水分が飛び空洞ができます。この空洞があることで、口に入れた時に、軽くさっと溶ける食感となり、この口解けの良さからボーロなどにも、ばれいしょでん粉が使われています。
(4)この他にばれいしょでん粉は、清涼飲料水などに使われる甘味料(糖化製品)や点滴などに使われる医療用ブドウ糖(でん粉は酵素で分解されるとブドウ糖に変化します。)、糊の原料をはじめ様々な食品や商品に利用されています。
【国内産ばれいしょでん粉の用途別の仕向量】(平成26年10月〜平成27年9月)資料:農林水産省調べ
ばれいしょでん粉の今後の利用用途
ばれいしょでん粉は、さらなる利用用途の拡大の可能性を秘めており、企業や製造メーカーが独自の研究や工夫をして、今後の利用に向けた取り組みを行っております。
その一例として、環境に配慮する研究が進められています。
使用後に食べるとができる容器(可食容器)は、プラスチック容器の代替品として開発され、使用後の廃棄や再加工にかかるコスト問題などの解決に役立つ可能性があります。
また、微生物の働きで水と二酸化炭素に分解されるプラスチック(生分解性プラスチック)を製造する研究なども行われており、その製造原料にばれいしょでん粉や他のでん粉が利用されています。
このように、消費のニーズや時代背景の求めに応じた研究や開発がされており、今後も様々な利用要素を持つ原料として、注目されるのではと期待がかかるところです。
おわりに
alicでは、ばれいしょでん粉が安定的に供給され、消費者の皆様の身近な商品として手元に届けられるように、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、国内のでん粉の原料となるいもの生産者及びでん粉製造事業者への支援を実施しています。
これら制度についての説明やでん粉を使ったレシピなどの情報をHPで紹介しておりますので、ぜひ、ご覧ください。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196