ALIC/駐在員トピックス
平成16年(2004年)11月分
◎アルゼンチン産生鮮牛肉、中国向けの輸出交渉が前進 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成16年11月18日発】 ◎ブラジル、鶏肉および牛肉の輸出に係るプロトコールを中国と締結 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成16年11月16日発】 ◎ 炭疽病で6名死亡、ワクチン接種を開始(インドネシア) 【シンガポール駐在員事務所 平成16年11月4日発】
◎アルゼンチン産生鮮牛肉、中国向けの輸出交渉が前進 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成16年11月18日発】 11月16日、中国の胡錦涛国家主席がブラジル訪問を終えアルゼンチンに入り、キルチネル大統領と会 談した。両者は大統領府のサロンにおいて、190億ドル以上の投資を含む協定に署名している。 今回署名された投資の内容としては、人工衛星技術に関して2億6千万ドル、通信分野に関して4億 5千万ドル、活性炭化水素(La actividad hidrocarbonifera)に関して50億ドル(5年間)、30万 戸の住居とインフラ整備に関して60億ドル、鉄道および地下鉄の更新に関して80億ドル(10年間)とな っており、10年間で合計197億1千万ドルが投資されることになった。 またアルゼンチンは、中国を市場経済の国として承認することを今回の訪問時には考えていなかった が、18日に承認すると発表した。これに関する記者会見において「中国は投資に対する見返りとして何 を要求したのか」との問いに、フェルナンデス首相は「市場経済の国として認めることのみである」 と回答している。 なお、これに先立つ17日、アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)は中国国家質量監督検験検疫総局 (AQSIQ)との交渉により、@加熱処理した牛肉および内臓、南緯42度以南(口蹄疫ワクチン不接種清浄 地域)の骨なし生鮮牛肉について輸入すること、A南緯42度以北については、国際獣疫事務局(OIE)に おいて口蹄疫ワクチン接種清浄地域と承認された後に骨なし生鮮牛肉の輸入を認めること−に同意したと 発表し、その他西洋なしとリンゴについては両国の輸出入に係る植物衛生についての合意書に署名がなさ れた。
◎ブラジル、鶏肉および牛肉の輸出に係るプロトコールを中国と締結 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成16年11月16日発】 11月11日中国の胡錦涛国家主席がブラジリアに入り、翌12日にルラ大統領などと懇談し、その後リオ デジャネイロ、サンパウロを訪問した後に、16日にはアルゼンチンのブエノスアイレスに向かった。 今回の訪問に際し2国間においてさまざまなプロトコールが締結されたが、畜産関係ではブラジル農 務省(MAPA)と中国国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)の間で、 ・中国向けに輸出されるブラジル産鶏肉および骨なし牛肉に係る検疫と家畜衛生条件 ・ブラジル向けに輸出される加熱処理された中国産鶏肉および豚肉に係る検疫と家畜衛生条件 −が締結された。 今回のプロトコール締結を受けロドリゲス農相は「来年ブラジルは牛肉約6万トン、鶏肉約4万トン を中国に輸出する機会を得ることになり、これは現在の輸出額を1億5千万ドル増やすものである」と し、さらに3年間で中国向けの牛肉輸出は6億ドルに、鶏肉は2億ドルに達する可能性があるとも話し ている。 また今回の交渉について農相は「容易な交渉ではなかったが、ブラジルが中国を市場経済の国と認め るに至り中国は我々に対し商業の視点においてより友好的な姿勢を示すようになった」とも話している。
◎ 炭疽病で6名死亡、ワクチン接種を開始(インドネシア) 【シンガポール駐在員事務所 平成16年11月4日発】 インドネシア政府は、10月26日、ジャカルタ市の南のボゴール地区での6名の死亡原因は、ヤギの肉を 介しての炭疽病であったことを血液検査によって確認したと発表した。このため、同地区内および同地区 と他の地区の家畜移動を今後3カ月間禁止するとした。 なお、死亡者のほかに60名を超える疑い例が確認されており、そのうちの9名が病院に収容されている。 また、政府は、ジャカルタ市の南部地域で10月29日からワクチンの接種を開始した。対象はヤギや牛そ して水牛などであるが、当初は同地域に1万1千頭飼養されているヤギを中心に接種を進めるとしている。 ワクチンは全国で30万ドースの備蓄があり、今回の接種に十分対応可能としている。
前のページへ戻る