畜産物の需給動向

 6 鶏卵 


▼消 費
14年度の推定出回り量は、263万3千トン(0.2%)と前年度並み

 鶏卵の推定出回り量は、流通形態が主に国内産の生鮮品(殻付き卵)で占められていることから、生産量の動向とほぼ一致した動きを示している。10年度は、わずかに減少し、その後はほぼ横ばいで推移していたが、14年度は、2,633,269トン(0.2%)と前年度並みとなった(図7、P.121)。

 家計消費量も、近年ほぼ横ばいで推移している。11年度は、賞味期限等表示の実施等から前年度を上回る月もあったが、引き続き前年度を下回った。12年度以降は横ばいで、推移し、14年度は、景気後退の続く中で10,290g/人(▲1.6%)とわずかに減少した(図8、P.66)。
 鶏卵消費のうち、約5割が加工原料卵および外食等において消費されている。加工向けのうち、マヨネーズ等ドレッシング類の原料として消費される鶏卵の消費量は、10年度以降、家庭における調理方法や外食メニューの多様化等を背景に、増加傾向で推移してきたが、14年度は加工、外食等の消費低迷から74,912トン(▲0.7%)とほぼ前年並みであった(図9)。

計画的生産にもかかわらず、
高い生産量、卵価の低迷続く

 平成11年2月26日に開催された全国鶏卵需給調整協議会において、当時、卵価が今後、低水準で推移することが懸念され「鶏卵の計画生産に係る当面の緊急措置」の実施を決定した。この緊急措置は、都道府県保留枠の配分や鶏舎増設等を凍結し、増羽の抑制を図るものであるが、11年度以降、3年間延長を繰り返し15年3月まで実施されることとなった。
 しかしながら、ひなえ付け羽数は、11年6月以降概ね前年同月を上回り、13年度(▲0.2%)、14年度(1.8%)とおおむね前年並みに推移しており、卵価の低迷を招いている。  15年度に入って、生産者団体等は、羽数削減、ひなえ付けの自粛に加え、消費者に対する消費拡大を呼びかけている。