畜産物の需給動向

 7 飼料 


▼飼料用とうもろこしの輸入
14年度のとうもろこし輸入量は1,217万トン(▲0.1%)、輸入価格は円安で高水準
輸入量

 配合飼料の主原料となる飼料穀物(とうもろこし、こうりゃん、大麦、小麦等)は、 そのほとんどを海外に依存している。とうもろこしは全体の約7割を占め、そのとうもろこしのほとんどを米国から輸入している。
 とうもろこしの輸入量は、9年度以降おおむね11,400千トン前後で推移してきたが、14年度は、米国産が11,731,174トン(2.2%)とわずかに増加、中国産が219,882トン(53.1%)と大幅に増加、アルゼンチン産は139,865トン(▲45.6%)と大幅に減少、全体では12,168,387トン(▲0.1%)とほぼ前年並みであった(図7、P.125)。


「食品安全基本法の制定」に伴なう「飼料安全法」の改正について

 食の安心・安全を法的に強化する「食品安全基本法」が15年5月23日に公布された。平成13年9月の牛海綿状脳症の国内での発生が大きな引き金になっている。

15年6月11日公布された「飼料安全法」の主な改正内容:

(1) 特定飼料等の製造業者に対する登録制度の導入
(2) 規格設定飼料の製造業者に対する登録制度の導入
(3) 有害な飼料の輸入・製造・使用の禁止
(4) 輸入飼料の監視の徹底
(5) 厚生労働大臣との連携の強化
  (2003.6)

稲発酵粗飼料の活用

 平成12年度に開始した「水田農業経営確立対策」のなかで、水田飼料作物生産振興事業として、取り込まれた発酵粗飼料用稲の作付け面積は平成11年度(事業開始前)と比べ、14年度は45.3倍の3,307haとなった。10万トン余りの稲わらが原物として供給されたことになる。飼料用稲の研究により、専用品種、サイレージ調整等についても基本技術の形成がおこなわれ、水稲をホールクロップ利用する稲発酵粗飼料の生産・利用が拡大した。
(2003.3)

輸入価格

 とうもろこしの国際価格(シカゴ相場)は、8年5月には500セント/ブッシェル近くまで高騰し、その後軟調に推移し10年8月に187セント/ブッシェルまで急落したが、11年以降おおむね200セント/ブッシェルで推移していた。
 13年度は、7月初旬に中国等への輸出成約や米国における受粉期の高温乾燥の懸念から上昇したが、その後は作柄の回復によりおおむね軟調に推移した。
 14年度は、5月の降雨等による作付けの遅れ、7月以降は干ばつ等により上昇し、9月は一時280セント/ブッシェルまで上昇した。その後、生産量が上方修正されたこと等により10月は250セント/ブッシェル、12月には232セント/ブッシェルまで落ち込み、その後は240セント/ブッシェル前後で推移した。(図8、P.125)。