畜産物の需給動向 |
■■ 5 牛乳・乳製品 ■■■ |
▼乳製品 | |
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14年度の年度末推定在庫量は7.7%増加、大口需要者価格は前年並み | |
10年度から13年度にかけては需給が安定的に推移したことから、カレントアクセス分の輸入にとどまった。14年度の生産量は178,905トン(0.6%)となった(図14、P.112)。 |
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14年度の推定出回り量は173,600トン(1.8%)、推定期末在庫は製菓・製パン、乳飲料関係等の脱脂粉乳を使用した商品需要の落ち込み等から80,800トンと前年度末より5,800トン(7.7%)とかなりの程度増加した(図15、P.112)。 | |
大口需要者価格は、9年4月の消費税率引き上げに伴い上昇したが、10年度以降輸入品の放出、生産量の増加等からひっ迫感が緩和され、価格はゆるやかに下降した。14年度は、平均で13,595円/25kg(▲0.3%)と前年並みであった(図16、P.117)。 | |
13年度における脱脂粉乳(当事業団売渡しの輸入脱脂粉乳を含む)の推定供給量170,500トンのうち、乳業メーカーの社内消費仕向けが42.2%、社外販売が57.8%となっている。社外販売量98,600トンのうち需要者に直接販売されるのは、12,800トン(社外販売量の7.5%)である(図17)。 |
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14年度の年度末推定在庫量は13.8%減少、大口需要者価格はほぼ前年並み | |
バターの生産量は、7年度以降11年度までは微増傾向で推移してきたが、12年度は6月の食中毒事故以降、生乳の飲用向け需要の増加により、前年をかなり大きく下回った。13年度は、生乳の飲用向け増加が一巡したことに加え、在庫量が減少したため、やや増加し、14年度は、牛乳の消費が好調に推移したことから乳製品向け処理量に回らなくなり、79,598トン(▲4.3%)と減少した。 |
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10年度、11年度は業務用需要の減退等から、推定出回り量が生産量を下回り、推定期末在庫量は増加に転じたが、12年度は余剰在庫の緊急軽減対策が実施されたこと等から3年ぶりに推定出回り量が生産量を上回った。13年度はハイファットクリームチーズの関税番号の変更に伴い、バターの需要量が増加し、推定期末在庫量は大幅に減少した。 14年度は牛乳の消費が好調で加工向けが減少したこと、バター製造時に同時に生産される脱脂粉乳の在庫量が増加傾向のため抑制されたこと等から、14年度末の推定期末在庫量は23,700トンと前年度末より3,800トン(▲13.8%)減少した(図19、P.112)。 |
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大口需要者価格は、9年4月の消費税率引き上げで上昇し、その後もゆるやかに上昇したが、10年度以降は、在庫の増加等から低下傾向となった。13年度以降在庫の減少から増加傾向となった。14年度の平均価格は951円/kg(0.5%)とわずかに上昇した(図20、P.117)。 | |
13年度におけるバターの推定供給量90,900トンのうち、乳業メーカーの社内消費仕向けが19.0%、社外販売が81.0%となっている。社外販売量73,600トンのうち需要者に直接販売されるのは、3,900トン(社外販売量の4.3%)にすぎず、主に大手乳業系列販社、乳製品卸等を含む一次卸売が68,500トン(同75.4%)を占め、二次卸売を経由するのは23,300トン(同25.6%)となっている。(図21)。 |
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14年度は生産量、輸入量、総消費量ともにやや減少。 | |
チーズ(ナチュラルチーズとプロセスチーズ)の1人年間消費量は約2.0kg(14年、速報)と欧米に比べて格段に少ないものの、ようやく2kg台に突入した。全体の消費量については7年度に20万トン台に乗り、その後も増加傾向で堅調に推移してきたが、14年度は249,418トン(▲3.0%)とやや減少した。(図22、P.113)。 |
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14年度の生産量はやや減少、輸入量はかなり減少 | |
11年度に5年ぶりに前年度を上回ったが、競合商品の多様化、消費者の甘味離れに加え景気低迷の影響等を背景に12年度はかなりの程度減少、13年度はかなりの程度増加したが、14年度は101,784kl(▲3.9%)とやや減少した。 |