経済状況

 3 農業経済概況 


14年農業総産出額は前年を0.5%上回る
 平成14年の農林水産業生産指数(農林水産業総合)は96.8で前年に比べて1.2ポイント低下した。これは、麦類、畜産が前年に比べて上昇したものの、米、野菜、果実などが低下したことによる。農業総合では97.2で前年に比べて1.1ポイント低下し、畜産総合は98.1と0.7ポイント上昇した(図1)。

 15年1月1日現在の販売農家戸数は220万5千戸で、主業農家が44万8千戸(▲3.3%)、準主業農家が52万8千戸(▲4.7%)に対し、副業的農家は122万9千戸(▲0.2%)となった。

 農業経営組織別の単一経営の販売金額規模別構成をみると、稲作は100万円未満が76.3%を占める一方、畜産部門では、酪農、養豚、養鶏では2,000万円以上の階層がそれぞれ58.6%、61.2%、51.6%を占めた。また、農業経営組織別の単一経営の基幹的農業従事者を年齢階層別にみると、稲作、肉用牛は65歳以上がそれぞれ66.6%、49.6%となっているが、酪農、養豚、養鶏では59歳以下の者の割合が約6割を占めている(図2)。

 14年の農業総産出額は、8兆9,261億円で前年に比べ0.5%増加した。これは、畜産、野菜などの産出額が前年に比べ増加したものの、米、果実、工芸農作物などの産出額が減少したことによる。畜産の産出額は、3.5%増の2兆4,975億円となり、農業総産出額に占める割合は28.0%となった。畜産の産出額を部門別にみると肉用牛は前年のBSEの影響による出荷自粛の反動などから前年を9.7%とかなりの程度増加したのをはじめ、生乳1.2%、豚5.4%、鶏2.1%とぞれぞれ増加した(図3、4、P.56)。


図1 農業生産指数の動向(平成12年=100)
図2 畜産部門における農業従事者の年齢別構成比
資料:農林水産省「農林水産業生産指数」
 注:12年を100とした指数
資料:農林水産省「農業構造動態調査」
   
図3 農業総産出額の部門別構成比の推移
図4 農業総産出額の畜産部門内での構成比の推移
資料:農林水産省「農業総産出額」
 注:14年は概算
資料:農林水産省「農業総産出額」
 注:14年は概算