経済状況 |
■■ 1 国内経済状況 ■■■ |
経済は設備投資と輸出に支えられ着実に回復 |
日本経済は平成14年1月、米国やアジアにおける経済回復および円安を背景に輸出が増加に転じたことなどから、景気が底入れした。その後、企業部門は輸出を中心として、生産の増加、企業収益の改善がみられた。しかし、14年後半以降のイラク情勢の緊迫化、それに続くイラク戦争の勃発やSARS(重症急性呼吸器症候群)の発生などから、米国やアジア経済が減速したことを受けて、輸出の伸びも鈍化したため、15年上期はおおむね横ばいで推移した。下期に入りSARSの終息などから再び米国やアジア経済が成長したことを受けて輸出や生産が増加に向かい、日本経済も着実な回復を続けている。 15年度の実質GDP(国内総生産)成長率は、民間最終消費支出、民間企業設備、財貨・サービスの純輸出がプラスに寄与したことから3.2%(2年連続のプラス)、名目GDP成長率は0.7%(3年ぶりのプラス)となった。また、実質成長率の内訳をみると、内需の寄与度は2.3%、外需が0.9%となった。特に設備投資は製造業を中心に回復を続けており、また、雇用者所得が徐々に下げ止まり方向となり、個人消費も年度後半から持ち直しを示しているが、民間住宅投資や公共投資は減少した。 物価は、国内企業物価は3年連続、消費者物価(総合)は5年連続とともに下落しているが、その下げ率は縮小しており、前年比ではおおむね横ばいで推移した。 |
図1 実質国内総支出(GDP)の推移(前年度比)
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図2 為替レートの推移(対ドル)
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資料:内閣府「国民経済計算」 | 資料:東京三菱銀行 |
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図3 物価の推移(平成12年=100) |
図4 消費者物価指数(食料)の推移(平成12年=100)
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資料:日本銀行「企業物価指数」、総務省「消費者物価指数」 | 資料:総務省「消費者物価指数」 |