畜産物の需給動向

 2 牛肉 


▼消費
15年度の推定出回り量は、国産品はやや減少、輸入品はわずかに減少し、合計で90万3千トン(▲3.2%)とやや減少
推定出回り量
 牛肉の推定出回り量は、13年度にはBSEの影響で消費が落ち込み、大幅に減少した。14年度には、回復傾向で推移し、前年度をわずかに上回った。15年度には、4月以降ほぼ前年並みで推移したが、12月の米国でのBSE発生により、国内消費のおおむね3割を占める米国産の輸入停止に伴う供給面の状況の変化により、需要の一部が手当できなかったことなどにより、年度全体では前年度に比べて3.2ポイント低下し、90万3千トンとなった(図13、P.70)。 

 牛肉の消費構成では、8年度にその他(業務用、外食用)が半数を超え、徐々にシェアを増加させている。(図14、P.67)。

 牛肉需要量の約3割を占める家計消費は、9年度から減少傾向に推移し、13年度はBSEの影響から消費量が、大幅に減少した。14年度にはやや回復したものの、15年度には再び減少し、1人当たりの消費量は2,407グラム(▲3.7%)とBSE発生前(12年度)の8割程度にとどまっている(図15、P.66)。

 量販店での種類別購買数量構成割合を見ると、9年度以降、徐々に輸入牛肉の割合が増加していたが、15年度には米国産が大幅に減少したこともあり、国産(和牛+国産牛)が2.3ポイント増加した(図16、P.68)。


図13 牛肉の推定出回り量
図14 牛肉消費の構成割合


資料:農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」
   農畜産業振興機構調べ
 注:部分肉ベース
資料:農林水産省生産局畜産部食肉鶏卵課

図15 牛肉の家計消費量(1人当たり)

図16 量販店での牛肉の種類別購買数量構成比


資料:総務省「家計調査報告」 資料:農畜産業振興機構調べ
注1:日経POS情報により全国の主要6地区(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡およびそれぞれの周辺地区の計9量販店)について集計したもの。
注2:購買数量は、統計上一般的に用いられているレジ通過1,000人
   当たりの購買数量(1カ月間の総購買数量/1カ月間のレジ通過総客数×1,000)である。