畜産物の需給動向

 2 牛肉 


▼肉用子牛
堅調な枝肉卸売価格を受けて、和牛および交雑種の肉用子牛価格上昇
黒毛和種
図26 肉用子牛(黒毛和種)の市場取引価格と頭数
 黒毛和種の取引価格は、BSEの影響で13年度第4四半期に、30期ぶりに保証基準価格を下回った結果、年度平均では、4年ぶりに値を下げ、前年をかなり大きく下回った。14年度に入り価格は緩やかに回復し、15年度には高水準な枝肉価格の影響もあり堅調に推移した。年度平均では41万5千円(8.7%)とBSE前(12年度)の水準を上回っただけでなく、最近10年で見ると最も高くなっている。取引頭数は、13年度にはBSEによる出荷繰り延べの影響からやや減少し、この反動で14年度には前年をかなりの程度上回った。15年度には再び減少に転じ、366,797頭(▲1.1%)と前年をわずかに下回った。(図26、P.85)。
資料:農畜産業振興機構調べ
 注:消費税を含む。
褐毛和種
図27 肉用子牛(褐毛和種)の市場取引価格と頭数
 褐毛和種の取引価格は、13年度には前年をやや下回ったが、14年度には大幅に上昇した。15年度も引き続き堅調に推移し、31万7千円(9.2%)とかなりの程度上昇した。取引頭数は、減少傾向で推移しており、15年度にはついに1万頭を割り込み、9,658頭(▲6.5%)と前年をかなりの程度下回った(図27、P.85)。
資料:農畜産業振興機構調べ
 注:消費税を含む。
ホルスタイン種

図28 肉用子牛(ホルスタイン種)の市場取引価格と頭数

 ホルスタイン種の取引価格は、13年度の前半には堅調に推移していたが、国内初のBSEの確認牛がホルスタイン種だったこともあり、特に子牛価格の中では和牛に比べ影響が大きく、前年を大幅に下回った。14年度に入っても価格は回復せず、15年度も引き続き低下し、年度平均で5万4千円(▲22.0%)と大幅に低下した。一方、15年度のヌレ子の取引価格も同様に、4万2千円(▲20.7%)と前年を大幅に下回った(図28、P.85)。
資料:農畜産業振興機構調べ
 注:消費税を含む。
交雑種(F1
図29 肉用子牛(F1)の市場取引価格と頭数
 交雑種(F1)は、13年度にはBSEの影響でかなり大きく前年を下回った。しかし、14年度には回復し、前年を大幅に上回っただけでなく、BSE発生前(12年度)の水準も上回った。15年度も引き続き堅調に推移し、年度平均では21万円(7.7%)と前年をかなりの程度上回った(図29、P.85)。
資料:農畜産業振興機構調べ
 注:消費税を含む。