海外でも、平成13年度以降鳥インフルエンザが猛威を振るっている。
平成13年5月に香港、マカオでの発生確認に端を発し、ヨーロッパのイタリア、オランダ、ベルギー、ドイツ、デンマーク、続いて北米へと発生が相次ぎ、カンボジア、インドネシア、ベトナムなどでは、家きんと人との係わりの強さから人への感染も確認され大きな社会問題になっている。
鳥インフルエンザが諸外国で発生したことにより国内の鶏肉需給に大きな変化がもたらされた。
1つは、鶏肉の輸入停止措置が講じられ輸入量が縮小した15年度末、加熱、加工済みの鶏肉調製品については、加工工場ごとに両国間で衛生条件確認後に輸入可能施設として指定されることとなった。輸入鶏肉品のほとんどが弁当用、惣菜用など加工・業務用へ仕向けられることから16年6月には、鶏肉の輸入量が前年同月の75%程度であったのに対し、鶏肉調製品は120%となり、調製品の回復は早かった。
2つめは、我が国の鶏肉の出回り量の約3割を占める輸入品の相手国シェアである。従来、加工品の原材料となる鶏肉は、中国、タイなどの冷凍品が多く充てられていたが、15年度末からは、当該国からの輸入停止措置によりそれまで2〜3割程度を占めていたブラジル産鶏肉の引き合いが強まり5割程度に上昇することとなった。
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