畜産物の需給動向

 3 豚肉 


▼消 費
推定出回り量は、合計で166万トン(2.5%)とわずかに増加
推定出回り量
 豚肉の推定出回り量は、近年ほぼ150万トン前後で推移していたが、15年度は国産品、輸入品がそれぞれわずかに増加し、昨年を4万トン上回る1,661,189トン(2.5%)となった。

 内訳は、国産品は89万トン(2.9%)、輸入品が77万トン(2.1%)となり、前年度に比べ国産品が2万5千トン、輸入品が1万6千トンそれぞれ増加した(図13、P.88)。

 14年度の豚肉の消費構成割合は家計消費が42%、加工仕向けが24%、その他(業務用、外食など)が34%となった。前年度と比べると家計消費のシェアは変わらないものの、ハム・ソーセージなど加工仕向け肉量の割合が減少し、外食、業務用への肉量が増加している(図14、P.67)。

 


図13 豚肉の推定出回り量
図14 豚肉消費の構成割合


資料:農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ
 注:部分肉ベース
資料:農林水産省生産局畜産部食肉鶏卵課


家計消費

図15 豚肉の家計消費量(1人当たり)

 豚肉の家計消費量は、13年9月に国内で発生したBSEによる牛肉代替需要により、14年度は、前年度を上回って推移した。15年度は、BSE特需も落ち着きを見せ、発生前の13年度とほぼ同水準となった。また、金額ベースでは6,982円/人(▲2.6%)と、国内生産量の増加、輸入量の増加を反映して、価格が下がったため、消費者の値頃感が増したものと推察される(図15、P.66)。
資料:総務省「家計調査報告」
食肉加工仕向肉量
図16 豚肉の加工仕向肉量  食肉の中で、豚肉は牛肉や鶏肉に比べ、ハム、ソーセージなどを中心により多く加工利用され40万トン/年前後で安定的に推移している。15年度における豚肉の加工仕向肉量は、牛肉の約24倍、鶏肉の約9倍であり、全体では409,835トン(1.0%)と前年とほぼ同水準となった。輸入物へのシフトが進み、国産豚肉の加工仕向けは79,477トン(▲3.9%)と減少し、輸入品は330,356トン(2.3%)とわずかに増加した(図16、P.67)。
資料:農林水産省「食肉加工品生産量調査」
15年4月以降は(社)日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べ