図18　牛肉の卸売価格（東京・省令規格）

　枝肉卸売価格（東京市場）は、1 3年度には国内初のB S Eが確認された９月までは堅調に推移していたものの、1 0月以降、消費者の牛肉離れから安定基準価格を下回り、年度末にかけて大幅に前年を下回り、機構は牛肉価格安定緊急対策事業として初めて牛肉の調整保管を1 3、1 4年度に実施した。1 4年度には消費の回復に伴い上昇したがB S E発生前（1 2年）の８割程度にとどまった。1 5年度には安定上位価格を上回り、1 6 年度には更に米国産の輸入停止の影響により、1 , 2 2 3円／k g（1 8 . 7％）とB S E発生前（1 2年）をかなりの程度上回った（図18、P.161）。

　和牛（去勢）の卸売価格は、1 3年度はB S Eが確認された９月までは弱含みで推移していたが、1 0月以降、前年同月を大幅に下回って推移した。1 4年度に入り価格は大きく回復し、1 5年度にはと畜頭数の減少の影響もあり堅調に推移した。1 6年度には、年度平均でA５は2 , 3 7 0円／ k g （1 . 0％）とB S E前（1 2年度）の水準に近づきつつある。また、A４は2 , 0 8 6円（6 . 3％）A３は1 , 9 1 7 円（1 0 . 6％）、A２は1 , 7 0 4円（1 4 . 8％）とともに前年を上回っただけでなく、B S E前（1 2年度） の水準をも大幅に上回っている。（図19、P.161）。

図20　牛肉の卸売価格（東京・乳去勢）

　乳牛の卸売価格は、1 3年度８月まで、特にB ３について強含みの展開だったが、９月以降はB S Eの影響で急激に前年同月を下回り、年度末まで大幅に低下した。1 4年度に入り価格は急速に回復し、1 5年度に入っても堅調に推移した。1 6年度には品質が競合する米国産牛肉の輸入停止により価格が上昇し、年度平均でB３は9 0 9円（2 1 . 2％）、B２は8 0 5円（2 8 . 2％）となり、B S E前（12年度）の水準に回復した。（図20、P.161）。

図21　牛肉の卸売価格（東京・交雑種F1）

　交雑種の卸売価格は、1 3年度８月までほぼ前年同月を上回って推移した。９月以降にはB S E の影響で、前年同月を下回り、さらに年度末にかけて、大きく低下した。1 4年度に入り、価格は急速に回復した。1 6年度も堅調に推移し、年度平均では、F１去勢B３は1,419円／kg（12.6％）、B２は1,251円／kg（28.7％）と、BSE前（12年度） の水準を大幅に上回っている（図21、P.161）。