海外における鳥インフルエンザ発生により、1 6 年1月にタイからの鶏肉の輸入停止措置が採られたため、1 6年度の鶏肉輸入量は前年度比1 5 . 1%減の3 6万5千トンへ大幅に減少した。また、輸入相手先も、ブラジルが輸入量の9割を占める一極集中化が起っている。
一方、食生活の多様化を背景として外食や中食などの業務用としてから揚げ、チキンナゲット、炭火焼き鳥などに加熱、味付けした鶏肉調製品の需要が高まっている。鳥インフルエンザやニューカッスル病などの家きん疾病が発生している国からでも、衛生処理条件などが合致すれば、わが国の農林水産大臣が指定する加工場で過熱処理された鶏肉調製品の輸入が可能となっており、1 6年度は2 7万2千トンと5年前の1 1年度(1 1万9千トン) の2倍以上に実績を伸ばしている。
特に、タイ産の鶏肉調製品のシェアは、1 1年度の3 4 . 5%(4万1千トン)から1 6年度には4 4 . 8% (1 2万2千トン)へ躍進している。2 0 0 4年にタイから輸出された鶏肉調製品は前年比2 3 . 0%増の1 9万3 千トンであったが、1 7年3月にバンコクで開催されたセミナーの中で、タイブロイラー加工輸出協会のアナント会長は、1 7年の鶏肉調製品の輸出は前年の約1 . 5倍の3 0万トンが見込まれると語っている。また、1 7年7月にはタイの一部で鳥インフルエンザが再発したことから、生鮮品の日本への再輸出はさらに困難となった。従って、1 7年も第一の輸出市場である日本への鶏肉調製品の輸出志向はさらに高まると思われる。 |