畜産物の需給動向 |
■■■ 5 牛乳・乳製品 ■■■ |
▼乳製品 | ||
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16年度の推定期末在庫量は8万8千トンとやや減少(▲5.6%)、大口需要者価格は前年を下回る(▲1.5%) | ||
図14 脱脂粉乳の生産量と輸入量 |
1 1年度から1 3年度の脱脂粉乳の需給は安定的に推移したことから、カレントアクセス分の輸入にとどまった。1 4年度以降には需給が緩和し、在庫も積み増したことからカレントアクセスの輸入は行われず、1 6年度の生産量は1 8 2 , 6 5 6トン(▲0.9%)となった(図14、P.193、194)。 |
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資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」 注:輸入量は機構輸入分のみ |
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図15 脱脂粉乳の推定期末在庫量
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1 6年度の推定出回り量は1 8 8 , 2 0 0トン(9 . 2%)、推定期末在庫は、製菓・製パン、乳飲料関係などの脱脂粉乳を使用した商品需要が落ち込んでいるが、過剰在庫解消への取り組み(2万トン対策)などにより8 8 , 0 0 0トンと前年度末より5,200トン減少した(図15、P.194)。 | |
資料:農林水産省生産局畜産部牛乳乳製品課調べ | ||
図16 脱脂粉乳の大口需要者価格
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大口需要者価格は、9年4月の消費税率引き上げに伴い上昇したが、1 0年度以降輸入品の放出、生産量の増加などからひっ迫感が緩和され、価格は緩やかに低下した。1 4年度は前年度並み(▲0 . 3%)であったが、在庫過剰感から、1 5年度は微減(▲0 . 5%)し、1 6年度には、平均で1 3 , 3 3 0円/2 5 k g(▲1 . 5%)と前年度をわずかに下回った(図16、P.199)。 | |
資料:農林水産省生産局調べ 注:消費税を含む。 |
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図17 脱脂粉乳の流通ルート(平成15年度推計)
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1 5年度における脱脂粉乳の推定供給量1 7 2 , 4 0 0トンのうち、乳業メーカーの社内消費仕向けが3 2 . 8%、社外販売が6 7 . 2%となっている。社外販売量1 1 5 , 8 0 0トンのうち需要者に直接販売されるのは、2 0 , 3 0 0トン(社外販売量の1 1 . 8%)である(図17)。 | |
資料:農畜産業振興機構調べ。 注1:乳業のうち、脱脂粉乳を生産していないメーカー。 注2:小売業向けは、その他に含む。 |
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16年度の推定期末在庫量は2万6千トンとやや減少(▲3.9%)、大口需要者価格は前年を下回る(▲0.8%) | ||
図18 バター、クリームの生産量と輸入量
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バターの生産量は、7年度以降飲用向け需要が伸び悩み、1 1年度までは微増傾向で推移してきたが、1 2年度には6月の食中毒事故以降、生乳の飲用向け需要の増加により前年をかなり下回った(▲1 0 . 8%)。1 3年度には、生乳の飲用向けの増加が一巡したことに加え、在庫量が減少したことで回復した(4.1%)。
1 4年度には、牛乳の消費が好調に推移したことから再び減少(▲4 . 3%)し、1 5年度はわずかに増加(2 . 4%)した。1 6年度には8 0 , 5 5 2トン(▲1.2%)とわずかに減少した。 クリーム等は、1 6年度には8 2 , 8 7 6トン(▲ 5.6%)とやや減少した(図18、P.193)。 | |
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」 注:輸入量は機構輸入分のみ。 |
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図19 バターの推定期末在庫量
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1 1年度は業務用需要の減退などから、推定出回り量が生産量を下回り、推定期末在庫量は増加(1 9 . 5%)に転じたが、1 2年度は3年ぶりに推定出回り量が生産量を上回った。1 3年度はハイファットクリームチーズの関税分類の変更に伴いバターの需要量が増加し、1 4年度は牛乳の消費が好調で加工向けが減少したこと、また同時に生産される脱脂粉乳の在庫量が増加を抑制したことにより減少(▲1 3 . 8%)した。1 5年度にはカレントアクセス分の在庫保持などにより増加(1 2 . 9%)したが、1 6年度の推定期末在庫量は25,763トンとなり前年より959トン(▲3.9%) 減少した(図19、P.194)。 | |
資料:農林水産省生産局畜産部牛乳乳製品課調べ | ||
図20 バターの大口需要者価格
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大口需要者価格は、1 0年度以降、在庫の増加などから低下傾向となった。1 3年度以降には在庫の減少から増加傾向となった。1 4年度、1 5年度には前年をわずかに上回ったが、1 6年度の平均価格は9 5 2円/k g(▲0 . 8%)となり前年をわずかに下回った(図20、P.199)。 | |
資料:農林水産省生産局調べ 注:消費税を含む |
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図21 バターの流通ルート(平成15年度推計)
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1 5年度におけるバターの推定供給量8 9 , 0 0 0トンのうち、乳業メーカーの社内消費仕向けが1 5 . 6%、社外販売が8 4 . 4%となっている。社外販売量7 5 , 1 0 0トンのうち需要者に直接販売されるのは、1 0 , 0 0 0トン(社外販売量の1 1 . 2%)にすぎず、主に大手乳業系列販社、乳製品卸などを含む一次卸売が6 4 , 4 0 0トン(同7 2 . 4%)を占め、二次卸売を経由するのは3 1 , 1 0 0トン(同3 4 . 9%)となっている。(図21)。 | |
資料:農畜産業振興機構調べ。 注1:乳業のうち、脱脂粉乳を生産していないメーカー。 |
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16年度生産量、総消費量は増加、輸入量は減少 | |
チーズ(ナチュラルチーズとプロセスチーズ) の1人当たり年間消費量は約2.0kg(16年、速報) と欧米に比べて格段に少ないものの2k g台に達した。全体の消費量については7年度に2 0万トン台に乗り、その後も増加傾向で堅調に推移してきたが、1 3年度、1 4年度にはそれぞれ1 . 0%、3 . 1%と減少した。1 5年度から再び増加(2 . 6%) し、1 6年度には2 6 5 , 7 2 9トン(4 . 2%)となった。(図22、P.195)。
プロセスチーズの消費量は、安定した伸びを示してきたが、1 3年度にはやや減少(▲3 . 2%)、1 4年度以降再び増加し、1 6年度には1 1 4 , 9 8 7トン(1 . 0%)と微増した。直接消費用ナチュラルチーズ(プロセスチーズ原料用以外のものを指し、業務用その他原料用を含む)は1 5 0 , 7 4 2トン(6.8%)とかなり増加した。 国産ナチュラルチーズの生産量は、1 5年度から減少(▲3 . 3%)し、1 6年度には3 3 , 4 4 5トン(▲4 . 2%)と前年を下回った。このうち直接消費用は、1 1年度までは増加傾向であったが、1 2 年度以降1 4年度まで減少し、1 5年度は3年ぶりに増加(2 . 4%)したが、1 6年度には1 2 , 1 1 1トン(▲1 2 . 0%)と再び減少した。プロセスチーズ原料用は、おおむね2万トン前後で推移しており、1 6年度は2 1 , 3 3 4トン(1 . 0%)とわずかに増加した(図23、P.195)。 ナチュラルチーズ全体の輸入量は増加傾向であったが、1 3年度、1 4年度はそれぞれ1 . 4%、5 . 2%減少し、1 5年度から再び増加(3 . 5%)しており、1 6年度には2 0 8 , 3 1 7トン(6 . 4%)とかなり増加した。うち直接消費用は138,631トン(8.8%)、プロセスチーズ原料用は6 9 , 6 8 6トン(2 . 0%)となっている(図24、P.195)。 その結果、総消費量における国産の割合は1 3 . 5%と前年度を1 . 2ポイント下回った(図2 2、P.195)。 |
図22 チーズの総消費量と国産割合
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図23 ナチュラルチーズの生産量と輸入量
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資料:農林水産省生産局畜産部牛乳乳製品課調べ。 | 資料:農林水産省生産局畜産部牛乳乳製品課調べ。 |
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図24 平成16年度チーズ総消費量の内訳 |
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資料:農林水産省生産局畜産部牛乳乳製品課調べ。 注:直接消費用ナチュラルチーズとは、プロセスチーズ原料用いがいのものを指し、業務用その他原料用を含む。以下のグラフについても同様。 |
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16年度生産量、輸入量とも増加 | ||
図25 アイスクリームの生産量と輸入量 |
生産量は1 1年度に5年ぶりに前年度を上回ったが、競合商品の多様化、消費者の甘味離れに加え景気低迷の影響などを背景に1 2年度はかなり大きく減少(▲1 5 . 4%)、1 3年度にはかなりの程度増加(7 . 6%)した。1 4年度にはやや減少(▲3 . 3%)したが、1 5年度からは増加し、1 6年度には1 1 2 , 3 4 4 k l(8 . 1%)とかなりの程度増加した。
輸入量は、1 5年度から増加し、1 6年度には2 2 , 1 7 6トン(9 . 5%)となった(図2 5、P . 1 9 3、1 9 7)。 | |
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」、財務省「貿易統計」 注:輸入量は、1t=1.455klで換算 |