17年度の鶏卵輸入量は150,960トン(12.4%)と15万台を突破するなど、前年度と比べてかなりの程度の増加となった。これは、17年度の卵価が、16年度の205円には及ばないものの、186円と引き続き高値で推移したことで国産の代替として製菓製パンなどの加工材料用に、より安価な輸入鶏卵の需要が高まったことが要因とされる。
近年の日本の鳥卵類の輸入内訳を見てみると、卵黄、乾燥卵白の輸入量の割合が高いことがわかる。卵黄は、お菓子、アイスクリームなどの原料に、乾燥卵白は、それらの用途に加え、麺類、水産練製品などのつなぎにも利用されている。
乾燥卵は、高温で加熱処理をされているため安全性が高いことや、常温で長期保存が可能なため、今後の輸入動向が注目される。
鳥インフルエンザの影響で、生産量はほぼ前年度並み
17年度の生産量は前年比0.1ポイント増加の2,482,643トンと240万台にとどまり、ほぼ前年度並みとなった。これは、採卵鶏飼養羽数上位県である茨城県で、鳥インフルエンザが発生し(平成18年度2月時点で)大幅に飼養羽数を落としたことなどが要因とされる。
農林水産省「畜産物流通統計月報(6月)」によると、平成17年(1〜12月)の茨城県の鶏卵生産量は昨年に引き続き首位となったが、前年を1.4%ポイント下回る17万2千トンとなった。また、生産量第2位の鹿児島県も前年を0.5ポイント下回るなど、上位生産県での生産量の減少が全体にも影響したとされる。
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