畜産物の需給動向

 5 牛乳・乳製品 


▼飲用牛乳等生産量
17年度の牛乳の生産は379万kl(▲3.4%)と減少、乳飲料、はっ酵乳はわずかに増加

図12 飲用牛乳等の生産量
図13 飲用牛乳等の種類別生産量(対前年増減率)

 飲用牛乳(牛乳および加工乳)は、加工乳について見ると、14年度には加工乳の牛乳使用割合表示が義務付けられ、牛乳の表示見直しなどがあったことから、前年度を19.3%下回った。16年度には、猛暑にもかかわらず、夏場の飲用消費が伸び悩んだこと、豆乳などの競合飲料が伸びたことなどにより前年度をわずかに下回った(▲1.7%)。また、牛乳の生産量は前年度をわずかに減少(▲2.3%)し、加工乳・成分調整牛乳はやや上回った(4.3%)。

 17年度の飲用牛乳は、豆乳類、野菜飲料などの他飲料との競合などにより、4,261,231キロリットル(▲3.2%)と前年度を下回った。このうち、牛乳は前年度を3.4%、加工乳・成分調整牛乳は前年度を2.2%下回った。

 ヨーグルトなどのはっ酵乳は、活発な商品開発や消費者の健康志向などを背景に、生産量が堅調に推移しており、14年度にはプロバイオティックスの効用によりかなり大きく上回った(14.4%)が、15年度、16年度には前年度を下回り、17年度には801,630キロリットル(2.5%)と前年度をわずかに上回った。

 乳飲料(牛乳等にカルシウム、しょ糖、コーヒーなどを加えた飲料)は、消費者の健康志向、栄養強化タイプを中心としたメーカーの積極的な商品開発などを背景に増加傾向で推移していたが、14年度は、消費者の生乳志向に押され前年度をやや下回った(▲4.3%)。15年度以降は、前年度を上回って推移し、17年度には前年度をわずかに上回った(1.9%)。

 乳酸菌飲料は、17年度には172,278キロリットル(▲0.2%)と前年度並みの水準であった(図12、13、P.201)。

14年ぶりに前年度を下回った検定牛乳量
 社団法人家畜改良事業団が公表した平成17年度乳用牛群検定成績(立会検定、305日、2回搾乳)によると、ホルスタイン1頭当たりの乳量は、全国平均で前年度を75キログラム(前年度比0.8%減)下回る9,121キログラムとなり、14年ぶりに前年度割れになった。内訳を見ると、北海道が、前年度より112キログラム(同1.2%減)下回る9,089キログラム、都府県が、同8キログラム(同0.1%減)下回る9,179キログラムとなった。

 この要因としては、生乳計画生産や16年度の猛暑による影響、近年の分娩時期のずれなどが、影響を与えていると考えられている。
 なお、17年度の乳用牛群検定の実施状況は、検定農家比率が42.5%、検定牛比率で54.5%と、いずれも前年度の比率を上回った。