畜産物の需給動向

 3 豚肉 


▼小売価格
17年度の小売価格、国産上昇、輸入品は前年度並み

図23 豚肉の小売価格(ロース)
図24 豚肉の小売価格(もも)


 「ロース」の小売価格は、17年度に、国産品は242円/100g(3.0%)、輸入品は168円/100g(0.0%)となった。特に、15年度以降は、ロースの荷余り感から輸入品の価格は2年連続して下降していたが、17年度は前年並みとなった。(図23、P.194)

 また、もも肉については、17年度に国産品166円/100g(2.5%)、輸入品は、137円/100g(7.0%)となった。国産もも肉の価格は、ほぼ横ばいを続けていたが、17年度は前年度に比べわずかに値を上げた。一方、輸入もも肉は、上昇傾向にあり、かなりの程度値を上げた(図24、P.194)。


家計での豚肉消費は好調
 国内外におけるBSE、鳥インフルエンザなどの家畜疾病の発生などの影響により豚肉需要は順調に伸びている。
 総務省の「家計調査報告」よる平成2年以降の食肉の消費動向をみると、鶏肉、牛肉に比べ豚肉のみが右肩上がりで増加傾向にある。(図 )

 家計の食料費全体の支出が停滞気味である中にあっても、17年度の全国1人当たりの豚肉の家計消費量は5,498グラムと前年度を1.7%上回っており、BSEや鳥インフルエンザの影響から家庭でも牛肉や鶏肉の代替食材として利用されているものと推察される。

 特に家庭での消費は、豚しゃぶしゃぶの普及や精肉を加えて加熱するだけで調理できる中華メニューなど調理が簡単な合わせ調味料食材も増えていることから1年中食べられる食材として重宝されているものと思われ、また、外食産業も米国産牛肉の穴埋めメニューとして豚肉を充当してきたことが、豚肉をより身近な食材にした一因であるとも考えられる。

全国1人当たりの家計消費量