海外編 |
■■■ II EU ■■■ |
表1 主要経済指標 |
欧州連合の加盟国等(2004年12月時点) |
図1 農業生産額に占める畜産のシェア(2004年) |
図2 畜産生産額に占める畜種別のシェア(2004年) |
表2 主要農業経済指標 |
3. 畜産の動向 |
表3 酪農経営体数、乳用経産牛飼養頭数および1戸当たり飼養頭数の推移 |
図3 酪農経営体数(2003年)および乳用経産牛飼養頭数(2004年12月) |
図4 生乳生産量(2004年)および経産牛1頭当たり乳量(2004年) |
表4 1人当たり飲用乳消費量の推移
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表5 バター需給の推移
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図5 バターの国別生産量(2004年)
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イ.バター 2004年のEU15カ国のバター生産量(バターオイルを含む)は、180万2千トンで前年を3.6%下回った。これは生乳生産量の減少に加え、加工原料乳が付加価値の高いチーズにより仕向けられていることによるものであった。なお、EU25カ国の生産量は211万2千トン(バターオイルを除く生産量は194万5千トン)であった。 |
表6 1人当たりバター消費量の推移
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表7 脱脂粉乳需給の推移
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ウ.脱脂粉乳 | 図6 脱脂粉乳の国別生産量(2004年) |
EU25カ国は、脱脂粉乳の生産量では全世界(約329万トン:FAO資料)の約36%(2004年)のシェアを占める世界最大の生産地域である。 2004年のEU15カ国の生産量(バターミルクパウダーなどを含む)は89万6千トンで、前年を19.8%下回った。これは生乳生産量の減少に加え、加工原料乳が付加価値の高いチーズにより仕向けられていることによるものである。なお、EU25カ国の生産量は、111万3千トン(バターミルクパウダーなどを除く生産量は、104万1千トン)であった。 2004年のEU25カ国の域外への輸出量は、27万9千トンとなった。主な輸出先は、アルジェリア(4万6千トン)、エジプト(1万5千トン)などの北アフリカやインドネシア(2万4千トン)、タイ(2万7千トン)、マレーシア(1万3千トン)などの東南アジアなどである。生産の減少に伴い需給が引き締まったことから、2000年10月以降、介入在庫はゼロとなった。しかし、2002年には脱脂粉乳の生産量が大きく伸びたこともあり、2002年3月以降介入在庫が生じたが、2004年には消費量が生産量を上回ったことから、在庫量は前年比58.8%減の8万トンと大幅に減少している。 |
エ.チーズ EU25カ国は、チーズの生産量では全世界(1,823万6千トン:FAO資料)の47%(2004年)のシェアを占める世界最大の生産地域である。 チーズ生産量は、堅調な域内需要に加え、世界的な需要増加を背景に95年から2004年までの10年間で、EU15カ国で約16%増加した。99年には、ロシアの経済悪化による同国向け輸出の停滞の影響で一時的に生産の伸びが鈍化したものの、その後回復している。2001年には、BSE問題の再燃による代替需要生産の拡大により、最近では最大の伸びを示したが、その後落ち着き、2004年の生産量は前年比1.3%増の741万5千トンとなった。なお、2004年のEU25カ国での生産量は、842万4千トンであり、このうち主に牛乳を原料として乳業工場で製造されるものは770万3千トン(キプロス、マルタを除く)となっている。 |
表8 チーズ需給の推移 |
図7 チーズの国別生産量(2004年) |
図8 チーズの輸出先国(2004年) |
表9 1人当たりチーズ消費量の推移 |
2004年のEU25カ国の域外への輸出量は54万9千トンであった。堅調なチーズの国際価格およびロシアの経済発展により、着実に増加が見られている。主な輸出先は、米国(11万9千トン)、ロシア(10万2千トン)、日本(5万5千トン)である。 2004年のEU25カ国のチーズ消費量は822万9千トンで、1人当たりの消費量は18.0キログラムであった。国別の1人当たりの消費量には、加盟国間でかなりの差があり、ギリシャ(28.7キログラム)、フランス(23.8キログラム)、イタリア(23.1キログラム)、ドイツ(21.9キログラム)などで多く、スペイン(9.5キログラム)、アイルランド(10.4キログラム)、イギリス(11.3キログラム)などで少なくなっている。なお、新規加盟国の1人当たりのチーズ消費量は12.5キログラムで、EU25カ国の平均を大幅に下回っている。 |
表10 主要国の生乳生産者価格 |
表11 ドイツにおける牛乳小売価格の推移 |
表12 主要国のバター卸売価格 |
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表13 主要国の脱脂粉乳卸売価格 |
表14 主要国のチーズ卸売価格 |
表15 牛(乳牛を含む)飼養経営体数、飼養頭数および1戸当たり飼養頭数の推移 |
@主な政策 |
ア.介入買い入れ | 図9−1 国別牛飼養頭数(2004年12月) |
域内の牛肉価格が下落した場合、加盟国の介入機関を通じ、一定基準を満たす牛肉を買い入れ、市場から隔離することにより、価格を一定以上に維持している。2002年6月30日までは、域内または加盟国・地域の牛肉市場平均価格が、介入価格となる84%または80%の水準を2週間連続して下回った場合に発動される通常介入(買い入れ数量上限あり)と、価格が極端に低下した場合に実施されるセーフティーネット介入(買い入れ数量上限なし)の2つの方式が実施されていたが、通常介入については、2002年6月30日に廃止され、同年7月1日以降、民間在庫補助に移行した。 セーフティーネット介入は、規則(EC/1208/87)に基づく枝肉の欧州平均市場価格が、2週間にわたって1,560ユーロ/トンを下回る場合に実施される。 |
イ.民間在庫補助 ウ.直接支払い エ.輸出補助金 オ.BSE関連対策 |
図9−2 国別タイプ別牛飼養割合(2004年12月) |
表16 牛肉需給の推移(枝肉換算) |
表17 主要国の成牛1頭当たり平均枝肉重量 |
表18 主要国の成牛参考価格の推移 |
表19 牛枝肉卸売価格の推移 |
表20 牛肉小売価格の推移 |
表21 養豚経営体数、飼養頭数および1戸当たり飼養頭数の推移 |
図10 国別豚飼養頭数(2004年12月) |
図11 豚肉の輸出相手国(2004年) |
表22 豚肉需給の推移(枝肉換算) |
表23 主要国の豚1頭当たり平均枝肉重量 |
表24 主要国の豚枝肉参考価格の推移 |
表25 豚肉小売価格の推移 |
@主な政策 ア.民間在庫補助 域内の豚肉価格が下落した場合、特定の豚肉を一定期間在庫する者に対し補助金が交付される。 イ.輸出補助金 |
中東欧諸国など10カ国が2004年5月1日、新たにEUに加盟した。それに伴い、それらの国々の食肉加工場や乳業工場などの食品加工施設のうち、既にEUの基準に適合しているものおよび2003年4月に署名された加盟条約(Accession
Treaty)で移行期間が認められた一部の施設(新規加盟国合計で730施設)は加盟以降も生産を続けられるが、それ以外のものは、加盟後生産ができないこととなった。 |
欧州委員会は2004年3月26日、EUの牛肉介入在庫がゼロになったことを発表した。 |
EUの豚肉管理委員会は2004年1月23日、豚枝肉などに対する輸出補助金の一時再開を決定し、欧州委員会は27日からこの措置を適用した。 豚枝肉などに対する輸出補助金が2000年6月以来約3年半ぶりに一時再開したことになるが、これについて、デンマークの最大手の豚肉関連会社であるデニッシュクラウンは、「今回の措置による当社への恩恵は、非常に限られている。なぜなら、日本向けの豚肉(冷凍のロイン、骨なしバラ肉)などが、今回の輸出補助金の対象とされていないためである」と不満を表している。また、同社はAPSを活用してきたが、輸出補助金の一時再開により、APSが終了することとなり、「良い対策(APS)が、それより劣る対策(輸出補助金)に取って代わられた」とのコメントを公表している。 |