<%@LANGUAGE="JAVASCRIPT" CODEPAGE="932"%> 畜産 国内編2007年度/畜産物の需給動向 3. 豚肉-輸入
畜産物の需給動向

 3. 豚肉 


▼輸 入
輸入量は、6年ぶりに減少して、73万7千トン


図6 豚肉の冷蔵品、冷凍品別輸入量とCIF価格
図7 豚肉の国別輸入量

 18年度の豚肉輸入量は前年度を大幅に下回る73万7千トン(▲16.2%)となった。内訳は、冷蔵品22万4千トン(3.6%)、冷凍品51万2千トン(▲22.7%)となった。(図6、P.184)

 輸入豚肉は、外食、中食、加工仕向けなどを主体とした業務用の需要が高く、特に冷凍品を中心に増加傾向で推移してきた。しかし18年度は、輸入相手国の現地価格が高水準にあったこと、EU域内の流通の変化などから輸入量が大幅に前年度を下回った。

 国別輸入量の推移をみると18年度は、米国が26万トン(▲10.5%)、デンマーク17万トン(▲26.6%)、カナダ16万トン(▲17.7%)、続くチリも5万トン(▲12.7%)と、主要国の輸入量は前年度を下回った。

 一方、唯一輸入量を伸ばしたのはEPA協定が合意され、18年度5万3千トンの特恵輸入枠のあるメキシコで前年比7.2%増の4万1千トンが輸入された。(図7、P.185)



図8 豚肉の冷蔵品、冷凍品別輸入量と基準輸入価格

 16年度までは、輸入量の増加により4年連続で関税の緊急措置が発動され、基準輸入価格が引き上げられていたが、18年度は、1カ月に冷蔵品は2万トン弱、冷凍品4万トン台をベースに安定的に輸入されたため、基準輸入価格は引き上げられず、部分肉ベースで546.53円/kgとなった。(図8、P.186〜188)



米国産
デンマーク産

図9 米国からの豚肉輸入量

図10 デンマークからの豚肉輸入量


 米国産の冷蔵品は、国内で需要の高い特定部位を均一な品質で一定量輸入出来ることなどから、冷蔵品輸入量全体の約7割を占めている。また、冷凍品はソーセージなどの原料用としてうで、ももなどの輸入量が冷凍品輸入量全体の2割程度を占めている。

 18年度は、冷蔵品が153,925トン(▲1.6%)冷凍品は107,109トン(▲20.9%)と全体では261,106トン(▲10.5%)となり、輸入量全体の35.4%を占めた。(図9、P.185)

 デンマークは、ハム、ソーセージおよびベーコンなどの加工仕向け用冷凍品の最大輸入相手国である。18年度は、冷凍品が166,401トン(▲26.5%)、冷蔵品との合計では166,515トン(▲26.6%)と前年度の輸入量を大幅に下回ったが、輸入量全体の22.6%を占めた。16年度までは4年連続で輸入量を増加させていたが、EUの域内流通の増加などを背景に、2年連続で前年度を下回った。(図10、P.185)



カナダ産
調製品

図11 カナダからの豚肉輸入量

図12 豚肉の調製品の輸入量


 カナダ産は、米国と競合する加工原料用の冷凍品が徐々に増加する傾向にあったが、18年度は、現地価格の値上がりなどから、冷凍品99,353トン(▲29.8%)、冷蔵品55,785トン(18.7%)、合計で155,208トン(▲17.7%)と前年度を大幅に下回った。

 特に冷凍品は、2年連続して前年度を下回って推移した。(図11、P.185)

 豚肉調製品(豚の肉またはくず肉のみから成るものを除く。)やソーセージ類は、豚肉に緊急措置が発動され基準輸入価格が引き上げられた場合でも、定率関税で輸入することができ、また、国産品よりも低価格であるため、増加傾向で推移している。18年度は、輸入量が減少し、国内物の加工仕向け部位の価格が高水準にあったことなどから、直接、豚肉調製品や、ソーセージ類を輸入する動きが顕著に表れたものと思われる。主な輸入相手国は中国、米国、タイなどとなっている。(図12)