図19　国産豚肉の仲間相場（冷凍品うで、もも）

図20　輸入豚肉の仲間相場（冷蔵品、米国産ロース）

　豚肉の国産冷凍品の「うで」「もも」などの部位は、主にソーセージなどの加工原料となり下級部位として取り扱われている。一方で、加工仕向けの原材料はその８割を輸入物に依存しているためその価格に影響を受ける。価格は、14年６,７月をピークに、下降していたが15年11，12月を底に輸入物の「うで」、「もも」のがひっ迫し始め、引き合いが強まったことから、17年度は一段高となった。18年度は、うで462円（▲5.4%）、もも478円（▲4.9%）と前年度を下回ったものの依然高水準にある。（図19、P.191）

　米国産の冷蔵品「ロース」は、外・中食向けやテーブルミートとして定着してきたが、17年度は、在庫の積み上がりなどから、ロースの荷動きが弱まり、価格は、636円/kg（▲9.5%）とかなりの程度下落した。

　18年度は、639円（0.6%）と前年度と同水準を維持している。（図20、P.192）

図21　輸入豚肉の仲間相場
（冷凍品、デンマーク産ばら）

図22　輸入豚肉の仲間相場
（冷凍品、カナダ産うで、米国産うで）

　デンマーク産の冷凍品の「ばら」は、ベーコンなどを中心に加工用として需要があり、国内の需要が高まる中で、価格は上昇傾向にあった。さらに18年度はEU域内での流通事情の変化などから輸入量が大きく減少し、価格は571円/kg（1.0％）と一段高となった。（図21、P.193）

　主にソーセージ・ウインナーの原料としてひき材料となる「輸入品冷凍品うで」の価格動向は、カナダ産、米国産とも同じような動きを示している。16年度の後半以降、国産物の品薄感から引き合いが強まり、価格が上がったため、18年度はカナダ423円／kg（▲0.3%）、米国391円／kg（▲0.6%）と前年度に引き続き高水準を維持している。（図22、P.193）