平成18年度の鶏肉輸入量は、(1)ブラジル産鶏肉輸入量の大幅減少、(2)鶏肉調製品の好調な輸入、(3)国内の鶏肉生産量が高水準で推移したこと−などから、前年度を大幅に下回った。
近年の鶏肉輸入は、平成15年度以降にタイ、中国、米国で鳥インフルエンザが発生したことから、ブラジル一国に集中しており、全体に占めるそのシェアはおよそ9割にも及んでいる。ブラジル産は、国産に比べて安価なことから、外食産業、料理品小売業(弁当、総菜)などの業種で多く用いられている。
平成17年度は、世界各地での鳥インフルエンザの発生に加え、国内においても茨城県、埼玉県下で弱毒性高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたため、鶏肉供給量のへの先行き不安などから、前年度を22.0%上回る39万4千トンと過去最高の輸入量が記録された。これにより、鶏肉の在庫積み増しが進み、特に輸入品在庫量は、平成17年10月から14カ月続けて10万トン前後の高水準で推移した。このような輸入品の在庫積み増しに加えて、平成18年度は国内の鶏肉生産量が堅調に推移したことで、輸入品への需要が減退し、18年度のブラジル産の輸入量は同21.8%減と大幅に減少した。これにより、輸入量全体も前年度を21.6%と大幅に下回る34万トンとなった。
その一方で、近年増加傾向で推移している鶏肉調製品の輸入量は、前年度を2.4%上回る34万6千トンと4年連続の増加となり、調製品の輸入量が鶏肉輸入量を初めて上回る結果となった。また、鶏肉調製品は主に中国、タイから輸入されているが、中国は焼き鳥用、タイは唐揚げ用の加工商品を得意とする。
なお、平成18年度は前年に続いて中国産が輸出量第1位となり、そのシェアは前年を1.6ポイント上回る56.5%、第2位のタイ産は同1.0ポイント増の43.0%となった。 |