採卵鶏の成鶏めす羽数は「10万羽以上」を飼養する大規模飼養者数が、年々増加の一歩をたどっている。一方、小・中規模飼養者数は飼養停止や飼養規模の低下が見られる。これは、高齢化などの要因に加えて、設備投資や餌などのコストの面で小・中規模飼養の経営状況が厳しくなっていることがその背景にあるとされている。生産コストのほぼ半分を占めるのは飼料費である。
バイオエタノール生産向けの需要がおう盛になったトウモロコシをはじめ、大豆などの配合飼料の原料となる穀物の輸入価格が上昇したため、それに伴い配合飼料の価格も高騰した。配合飼料の価格上昇は鶏卵の卸売価格には即座に反映しないと考えられている。しかし、食用油の高騰を受けマヨネーズが値上げされるなど、原料卵消費への影響も懸念されている。
一方、消費者の「食の安心・安全」への関心が高まっていることから、産地直売やトレーサビリティ制度のように「生産者の顔の見える」農産物に人気が集まり、安心・安全のためには高い価格を払うという、消費者の意識に変化がみられる。これらの傾向から中小規模経営農家は有機畜産や地鶏生産など、特色のある付加価値をつけた鶏卵の生産に注力する動きもみられる。
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