18年度は、エタノール需要の拡大を受けてトウモロコシのシカゴ定期が高騰したことから、主に輸入トウモロコシを原料とする配合飼料価格が値上がりした。18年度の配合飼料工場渡価格(全畜種加重平均)の平均は、トン当たり43,285円(7.1%)となり、14年度の平均価格同36,432円と比べ18.8%高となった。配合飼料の高騰は、配合飼料価格安定制度により、その影響は緩和されるものの、畜産農家の経営収支の悪化が懸念された。
一方、大家畜経営における飼料自給率は、近年低下傾向から横ばい傾向で推移している。農林水産省は、自給飼料は輸入粗飼料と比較してコスト面で優位にあるものの、畜産経営においては、利便性、労力面の負担などの要因により、輸入粗飼料に依存する傾向にあるとしている。
そこで農林水産省は、全国飼料増産会議において、稲発酵粗飼料(WCS)やトウモロコシの作付け拡大に取り組み、特にWCSの作付面積は、19年度の目標としていた作付面積5,000ヘクタールを18年度中に上回り、5,182ヘクタールとなった。19年2月に開催された全国飼料増産行動会議では、水田転作における麦や大豆との競合により、WCSの位置づけが弱い地域が未だ存在することや、低コスト生産につながる生産技術の普及や収量の高い専用品種の普及が不十分との見方から、19年度には耕畜連携の強化によるWCSの位置づけの向上、低コスト生産技術、地域に適した専用品種の普及導入などに努めることが確認された。 |