鶏肉の輸入量は、そのほとんどが冷凍品で、業務、加工向けなどの需要にあった安価で使いやすい製品が供給されてきた。15年度以降は、鶏肉などの主要な輸入先であるタイ、中国、米国で高病原性鳥インフルエンザが発生し、輸入の一時停止や制限措置が採られたことなどから、16年度には前年度をかなり大きく下回って推移した。しかし、17年度は、タイ、中国、米国の代替輸入先として、ブラジル産の輸入が増加したことにより前年度を大幅に上回る433千トン(18.7%)となった。18年度は前年度の輸入量増加による在庫の積み増しから輸入量は340千トン(▲21.6%)と大幅に減少した。19年度も8月までは前年度を大きく下回って推移していたが、年末の最需要期を迎え、国産鶏肉の生産量が今までにない高水準で推移したことなども影響し、9月以降輸入量が増加したことなどから、前年度比6.4%増の362千トンとなった。 輸入先を国別に見ると、ブラジル産がタイ、中国の代替輸入先として輸入量を伸ばし、4カ年連続で鶏肉輸入量の約9割を占めている。しかし、ヨーロッパやロシアなども輸入先をブラジルへ求めていることや、原産地価格の値上げなどもあって、輸入価格は上昇している。米国からの輸入量は、13年度以降は鳥インフルエンザなどの衛生問題により、たびたび輸入停止措置が採られたため、減少傾向で推移している。(図3、4、参考資料P51、52)
|