海外編 |
■■■ II EU ■■■ |
表1 主要経済指標 |
欧州連合の加盟国等(2006年12月時点)
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図1 農業生産額に占める畜産のシェア(2006年)
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図2 畜産生産額に占める畜種別のシェア(2006年)
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表2 主要農業経済指標 |
3. 畜産の動向 |
2006年のEUの生乳生産量は、全世界(約5億4,970万トン:FAO資料)の約26%を占め、これは、単一国としては世界最大である米国の生産量の約1.7倍に相当する。EUは、牛乳・乳製品の自給率が113%の純輸出市場であり、国際乳製品市場に大きな影響力を持っている。2006年において、EUが世界の乳製品貿易量に占める割合は、チーズが37%と依然世界最大となったが、バターや脱脂粉乳は生産量の減少に伴う輸出量の減少によりそれぞれ27%、8%となり、バターはニュージーランドに次いで2番目、脱脂粉乳は4番目のシェアとなっている。 |
ア.生乳生産割当(クオータ)制度 イ.乳製品の介入買入れ ウ.酪農奨励金 エ.輸出補助金 オ.域内消費の促進 |
ア.酪農経営体数 イ.飼養頭数 ウ.経産牛1頭当たり乳量 エ.生乳生産量 |
表3 酪農経営体数、乳用経産牛飼養頭数および1戸当たり飼養頭数の推移 |
図3 酪農経営体数(2005年)および乳用経産牛飼養頭数(2006年12月)
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図4 生乳生産量(2006年)および経産牛1頭当たり乳量(2006年)
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表5 バター需給の推移
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表6 1人当たりバター消費量の推移
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図5 バターの国別生産量(2006年)
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ウ.脱脂粉乳 2006年の生産量(バターミルクパウダーなどを含む)は104万トンで、前年を6.9%下回った。これは生乳生産量の減少に加え、加工向けの生乳が付加価値の高いチーズにより仕向けられていることによるものである。 2006年のEU域外への輸出量は、8万4千トンとなった。主な輸出先は、アルジェリア(3万2千トン)やナイジェリア(1万トン)などのアフリカやベトナム(8千トン)、タイ(7千トン)やインドネシア(5千トン)などの東南アジアなどである。 |
表7 脱脂粉乳需給の推移 |
図6 脱脂粉乳の国別生産量(2006年) |
エ.チーズ |
表8 チーズ需給の推移 |
図7 チーズの国別生産量(2006年)
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2006年のEU域外への輸出量は58万2千トンであった。堅調なチーズの国際価格および最大の輸出先であるロシアの経済発展により、着実に増加が見られている。主な輸出先はロシア(15万7千トン)、米国(11万1千トン)、日本(4万8千トン)である。 |
図8 チーズの輸出先国(2006年)
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表9 1人当たりチーズ消費量の推移 |
表12 主要国のバター卸売価格 |
エ.脱脂粉乳卸売価格 |
表13 主要国の脱脂粉乳卸売価格 |
オ.チーズ卸売価格 |
表14 主要国のチーズ卸売価格 |
2006年のEUの牛肉生産量は、FAOによると世界の牛肉生産量(約6,103万トン)の約13%を占めている。幅広い気候・地理・歴史的条件の下、さまざまなタイプの牛(肉用種、乳用種、乳肉兼用種)が飼養されており、牛肉の生産構造や生産する牛のタイプ(子牛、経産牛、去勢牛、雄牛など)は、国によってかなり異なっている。このような中、EUにおける牛肉自給率は2001年までは、100%を超えていたが、2000年末のBSE問題の再燃によって低下した消費が回復し、消費量が生産量を上回ったことから、2003年以降、牛肉の純輸入地域となっている。 ア.介入買い入れ イ.民間在庫補助 ウ.直接支払い (ア)繁殖雌牛奨励金(Suckler cow premium) (イ)特別奨励金(Beef special premium) (ウ)と畜奨励金 エ.輸出補助金 オ.BSE関連対策 |
図9−2 国別タイプ別牛飼養割合 |
イ.輸入および輸出 ウ.消費 エ.介入在庫 |
表17 主要国の成牛1頭当たり平均枝肉重量 |
表18 主要国の成牛参考価格の推移 |
ア.枝肉卸売価格 イ.小売価格 |
表19 牛枝肉卸売価格の推移 |
表20 牛肉小売価格の推移 |
2006年のEUの豚肉生産量は、世界の豚肉生産量(約1億56万トン:FAO資料)の約20%を占めている。EUは豚肉自給率108.2%の純輸出地域である。特に、デンマークの輸出量はEU全体の輸出量の約3割を占め、米国の輸出量の約1.4倍に相当する。EUでは、加盟国間で差が大きいものの、食肉消費量に占める割合は豚肉が最も大きい。 ア.民間在庫補助 イ.輸出補助金 ア.養豚経営体数 |
表21 養豚経営体数、飼養頭数および1戸当たり飼養頭数の推移 |
イ.飼養頭数 |
図10 国別豚飼養頭数(2006年12月)
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表22 豚肉需給の推移(枝肉換算) |
図11 豚肉の輸出相手国(2006年)
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ア.豚肉の市場参考価格 |
表24 主要国の豚枝肉参考価格の推移 |
イ.小売価格 |
表25 豚肉小売価格の推移 |
2006年2月13日、アジア諸国などで猛威を振るっていた高病原性のH5N1型鳥インフルエンザウイルスに感染した野鳥がギリシャ、イタリアで確認され、同型のウイルスがEU域内で確認された初めてのケースとなった。それ以降、スロベニア、オーストリア、ドイツ、ハンガリー、フランス、スロバキアで相次いで同様の事例が確認された。 |
欧州委員会は、英国産の生体牛および牛から生産されるすべての製品に対する輸出の制限措置を廃止する委員会規則を2006年5月2日から施行した。これを受けて、英国の国内規則が翌5月3日に施行され、この結果、同日から英国産牛肉などのEU域内への輸出が再開された。これまでも、一定の条件を満たした牛肉などの輸出は可能であったが、96年8月1日以降に生まれた牛から生産された牛肉であり、と畜月齢が6カ月齢から30カ月齢で、9カ月齢以上の場合は除骨されていることなどの非常に厳しい条件を満たしたものに限定されており、その制限がなくなるという点で、96年3月以来、10年ぶりの本格的な輸出再開となった。 |
2006年8月18日、オランダ南部でブルータングに感染した羊が発見された。同疾病は、吸血昆虫が媒介するウイルスが反すう動物に感染することにより起こる疾病で、牛やヤギでは症状が現れない場合が多いが、羊では、発熱、舌・口腔のチアノーゼ、死流産などの症状が現れ、死に至る場合もある。なお、本疾病はヒトには感染せず、また、肉や牛乳などの畜産物により感染が拡大することはない。 |