畜産物の需給動向

 2. 牛肉 

▼国産牛枝肉卸売価格
20年度の卸売価格は、1,069円/kg(▲8.0%、東京・省令)と3年連続前年度を下回る

省令規格
図8 牛肉の卸売価格(東京・省令規格)

 牛枝肉卸売価格(東京市場)は、米国産の輸入停止の影響により、16年度以降は安定上位価格を大幅に上回って推移した。しかし、20年度は、生産量がわずかに増加する中、景気低迷により比較的安価な豚肉や鶏肉に需要がシフトしたことに伴う牛肉需要の減少などから、1,069円/kg(▲8.0%)と3年連続で前年を下回り、また、安定上位価格を下回ることとなった(図8、参考資料P29)。

乳牛
図9 牛肉の卸売価格(東京・種別)

 乳牛の卸売価格は、16年度には品質的に競合する米国産牛肉の輸入停止により価格が上昇し、17年度以降も上昇を続けた。しかし、19年度は消費の減少などから下落に転じ、20年度は年度平均でB3は852円(▲1.7%)と前年度をわずかに下回った。一方、比較的安価なB2については、低価格志向を反映し4.3%上回った(図9、参考資料P29)。

和牛
交雑種

 和牛(去勢)の卸売価格は、15年度以降は、と畜頭数の減少による生産減の影響もあり堅調に推移していたが、19年度には下落に転じた。20年度は、消費低迷も加わり年度平均でA5は2,318円/kg(▲5.9%)、A3は1,584円/kg(▲13.7%)とそれぞれ低下した(図9、参考資料P29)。

 交雑種の卸売価格は、17年度まで堅調に推移したが、18年度に入るとと畜頭数が増加したこともあり、下落に転じた。20年度は、生産量の増加傾向などを反映し、年度平均で、F1去勢B3は1,217円/kg(▲8.9%)となった(図9、参考資料P29)。